第七十三話 蠢く者達
場所は、ある丸太小屋、その中心に木の椅子に座り、3人のヴァルキリー ゲル ヘルムヴィーケ グリムゲルデに頭を垂れさせている、その者は、長い尻尾で身体を覆い、その尖った耳に幼い容姿を持った男は椅子をギイギイといわせて、欠伸をしている
「磯際で船を破るというじゃんさぁ、そんなだから失敗するだろうさぁ、ねぇ、ゲルちゃん」
「ごめんねー、哀ゲルに任せたわたーしのミスだよー」
「先についたからってのもあるけどさぁ、グリムゲルデ、お前さんのあの狐のせいでもあるのではないかなぁ?」
男は尻尾を伸ばして、グリムゲルデの首を絞める、グリムゲルデは苦しそうにうめき声をあげる。
「ガァ―――すみません――こっんどは失敗は――しません」
「・・うむ、許そう!」
男は尻尾を解いて、再び、胴体に巻き付ける、グリムゲルデは解放されて、咳き込むがすぐに膝をついて、頭を垂れる。
「今回の♪、私たちの♪任務は♪、エンかシルニアとかいうやつの♪捕獲だったっけ♪、ねぇ、ヨルムンガンドさん?」
「・・二兎追うもの一兎を得ずとも言うしねぇ、その辺はどう思うかい?・・お前さんは」
ヨルムンガンドが後ろの下のほうに目を向けると、そこから木の床に突き破り、1人の女が姿を現す、その女は、褐色の肌で、土色の髪をなびかせて、妖艶な雰囲気を漂わせている。
「わたくしのような者に何か御用で?」
「確か・・、キシャルという名だったかぁ、1つお前さんに頼みがあるのだが」
「何か?」
「それは――――」
「なるほど・・それくらいなら構いません、わたくしめはマルドゥク様より手伝えと言われていますしね」
「それは良かった・・それじゃあロキのヴァルキリーども、これから楽しくなるぞぉ!はははは!」
場所は、エンの高天ヶ原での家に移る、そこでは机を囲んで、エンからシグラントとリーヴァに今回の報酬を渡していた、2人は少し困惑していた。
「あの・・これは?」
「今回、貴方方が魔物と親玉を倒した、だから報酬は貴方達に渡すのが普通かと」
「律儀ねぇ・・わかったわ、言い争うのも嫌だし貰っておくわ、ありがとうね、エン」
「どういたしまして、それで、どうしようかねぇ・・暇ではあるな」
「ふむ・・なら、シルニアとどこかに行くというのはどうだ?」
「何処かにって・・何処に行けばいいんだよ」
「なんの話をしてるの?」
そんな時に、シルニアが近づいてくる。
「あぁ、シグラントさんから、何処かに行ってこいって言われたな、シルニア、どうする?」
「・・・そうね、なら少し気になっている場所に行きたいのだけど・・」
「気になっている場所?、まぁ良いけど」
「それじゃあ、決まりだな、行ってこい」
シグラントはエンの背中の叩いて、シルニアと一緒に向かわせる、
「それじゃあ、行ってくるね、シグラント兄さん、リーヴァ姉さん」
「あぁ、いってらっしゃい、シルニア」
「行ってこい、シルニア」
2人が、向かった数分後、狐理が買ってきた物の整理から上の階から降りてくる。
「エンー、この後は・・あれ?」
「あぁ確か、お前は狐理だったか」
「アナタは・・確かシグラントとリーヴァだったけ?」
「えぇ、そうよ・・少し話をしない?」
「ふむ、わかったわ、少し話しましょう」
狐理はシグラントとリーヴァの反対側の椅子に座って、話を始める。
「・・・シルニアとエンについてね?」
「ほう?、わかっているなら良かった・・北欧のやつらをどう思う?」
「そうね、憎い相手ね、まぁ今のところはどうにかしようとは思ってないわ、今のところわね」
「ふーん、じゃあ次はそちらからだな」
「では1つ質問を・・アナタ達は北欧出身ね」
「「何故?」」
突然、シグラントとリーヴァから、何か雰囲気が変わる、先ほどまでとは違い、どこか殺気のようなものを狐理は感じとる。
「・・ワタシ、嗅覚が良いの、何処出身とかも匂いでなんとなくわかってしまう・・アナタ達からは旅をしていて、いろんな匂いがしてくるけど、ヴァルキリー達から似た匂いを感じたわ」
「・・・そうか、それはまた」
「えぇ、凄いわね・・」
「別にワタシからは何もそのことを話さないし、良いのでは?・・ワタシも命を失いたくはないわ」
「・・そう、じゃあこの話は終わりね」
「そうしてくれるとタスカルわ」
しばらくすると、エンとシルニアが帰ってくる、その様子は少し焦った様子だ。
「どうした?」
「・・・何か巨大な何かが高天ヶ原の後ろに出来ていた」
ざっくりとしたことわざ説明
磯際で船を破る 意味 完成間際で駄目になる
二兎追うもの一兎をも得ず 二頭捕まえようとしてどちらも捕まれないこと。




