第五十三話 ケルト最終決戦 VSフィンリル 中編
「はい、貴方の力です」
「そんなこと言って、また暴走するんじゃないのか?」
「・・・そうですね・・その・・貴方の・・・精神力によりますからね・・・その・・」
「ねぇ、本当にコイツがリーダー的な存在なわけ?、凄い言葉遅いし、ビクビクしてるしで、弱そうなんだけど・・」
「いや、そいつは正真正銘ヴァルキリーの頭よ」
3人の会話に、今まで黙っていたメイヴが混ざってきた。
「メイヴ・・あんた、知ってるの?」
「一回北欧に行って、そいつの実力を見たわ・・、ほぼ全てのヴァルキリー相手に、無傷でそいつは勝ってるわ」
「マジで?・・あれが?」
「あれとか・・そいつとか・・その・・失礼・・ですよ?・・・ではとりあえず・・・その・・力を手にするか決めてください・・エンさん」
「・・・そうだな、俺は―――」
場面は、ルーVSフィンリルに移る。
「・・・ふぅ、これで終わりか?」
「ふぅふぅ・・・なかなか 強いな 流石は 現在 ケルトの 王様
・・そろそろ 本気の 姿で 行こうか なぁ!、オーディン!」
(・・・良いだろう、見せてやれ、貴様の力を)
その声と共に、身体の透明な紐が消える、その瞬間、フィンリルの身体が震え出す、
「ぐぅ・・・・ガァァァァァァ!!!」
そして、雄叫びをあげると、フィンリルの身体が膨れ上がり、全身に毛が生え、顔が獣に変わっていく、しばらくすると、その体躯は山のような大きさになり、その姿は灰色の毛の狼となっていた。
「・・・これが、本来の姿か」
ルーはその姿に怖じけずくことなく、剣と槍を構える。
「・・・嘘みたいなステータスだなおい・・」
「何が見えた?、このセレーネ様にも見せてみよ」
名前 フィンリル [拘束具解放につき元々のステータスに]
攻撃力 50000
防御力 30000
素早さ 10000
魔力 1000
合計 91000
能力 無し
「・・・嘘だろ、こんな化け物だったのか」
「・・一応、妾の予知を試してみてるが・・!?、これは!」
「どうした?、何が映ったんだ!」
「・・・何も見えない」
「はぁ?・・それってどういうこと?」
「妾も初めてのことだ・・、妾レベルではこの戦いの行方はわからないということだろう」
「・・・そんな戦いなのか」
ルーとフィンリル、しばらく睨みあった後・・先に動いたのはフィンリルだった、その巨大な足を、かなりの速さでルー目掛けて降ろす、瞬間、爆弾のような、轟音と共に地面は砕け、その余波はモリガン達のほうにもとんでいく。
「うぉぉ!・・これは中々にヤバイな・・セレーネ様もビックリだ・・とりあえず、残った魔力で壁を作ったほうが良いな」
セレーネは両手を前に出して、
「満月壁!」
月のような、形の壁をケルトの結界を塞ぐように、展開した、その瞬間、セレーネの身体が縮んでいく。
「セレーネ!」
「はは、初めてだな・・魔力切れを起こすのは・・後のことは任せる・・モリガンよ、壁はセレーネ様がいなくなった後も継続すするから・・そらと・・アルテミスをよろしく頼む」
セレーネはそれだけ告げると、その姿はアルテミスに戻り、仰向けに倒れてしまった。
「・・セレーネ・・」
『モリガン様!、ルー様はどうなったんでしょう!』
「・・・あぁ、それなら心配は無いだろう、あの人がそう簡単に死ぬ人ではない・・」
土煙がはれて、フィンリルの前足があがると、そこにはルーの姿は無かった。
「どこいった?、ルーのやつ どこいる!」
「上だ、獣よ」
フィンリルが上を向いたその瞬間、フィンリルほどの巨大な光の球体を投げつけた、そのまま、フィンリルは頭に直撃して、ケルトからさらに遠くにとんでいく。
「ぐぅぅぅ! ガァァァ!」
フィンリルはその球体を噛み砕き、ルーを睨みつける。
「こんなの ごときで わたしは 止まらん!」
「そうだろうな・・」
(さて・・どうしたものか、あのデカさなら、当たるかもしれぬが、動きは、素早いだろうし・・確実に倒すなら・・誰かが――)
ルーが考えていると、ルーの更に上の上空から声が聞こえた、その声がしたほうを向くと、そこには、
「・・遅くなりました・・俺もこの戦いに参加させて欲しい」
巨大な土の羽と身体を持った巨人がそこにはいた。




