第四十五話 決戦 VSクーフーリン
場所はコロシアム アルテミスとクーフーリンのところに移る。
「はぁ・・・はぁ」
「おう、どうしたコンラ、俺を倒すのでは無かったのか?」
「・・そうです」
「・・・どうした?、月が出てるのだ、早くあっちにならないのか?」
「うっさい・・、私は私の力で勝つのよ」
あれから満月浮かぶ夜になり、2人はいまだに決定的な一撃を入れられないでいた、クーフーリンは槍を使わず、剣で相手して、次に組み打ち となり、そのどちらもコンラの優勢ではあったが、クーフーリンを倒せずにいた。
「やはり・・強いな、エンとの戦いの時、手加減していたな」
「いつ貴方が見ているか、わかりませんでしたからね、実力はそのときまで隠してきました」
「それは良かった・・では、ここからは俺も本気で行こう」
クーフーリンは背中の槍を手に取り、構えを取ると・・一瞬消えたかと思うと、コンラもそれに反応して、その姿を消す。
「なっ!?、何よ!」
「・・・凄まじいな」
辺りからぶつかる音が聞こえるも、2人の姿は見えず、それは何回も繰り返し、コロシアムを破壊しながら、その音は段々と遠くなると、はるか上空にて、2人の姿をやっと視認できた。2人の戦いは、かなりの高次元のものだと、アルテミスは理解した。
「やるな・・、まさかここまでのスピードについてこれるようになっているとは・・」
「まだまだです、僕の力は、〈剛力〉!」
コンラの手が光、クーフーリンを地面に叩き落とした、それを追いかけて、コンラはその剣を振り下ろす、クーフーリンはそれをゲイ・ボルグで防いで見せ、クーフーリンの下の地面が抉れ、大きなクレーターが出来た。
「まだまだぁ!こっちもだ!〈剛力〉!」
クーフーリンの手も光、コンラを弾き飛ばしてた、コンラは手に残る痺れを見て、笑顔になり、剣を構え直す。
「やっぱり、貴方は・・クーフーリン本人なんですね」
「あぁ、俺はエインヘリアルが憑依下の方に偽物でも、操れてもいない、本物のクーフーリンだ」
「それは、良かった・・エンにクーフーリンにあったとき、僕に譲って欲しいと一応言おうとしましたが、杞憂でしたか、さて、そろそろ続きと行きましょうか、今度は・・全力で」
2人には先程まで、あんなには激しい攻防を繰り広げたのに関わらず、息切れ1つしていない。
「本当に・・凄いわね、あんたら、本当に・・」
アルテミスは唇を噛みその強さに嫉妬を抱いていた。
「全力か・・そうだな、あの洞窟で見せれなかった、俺の本気、見せてやろう・・」
そう告げると、クーフーリンの筋肉が脈動して、肥大化して、魔力も、身体全体を覆うように、青く見えるくらいまで、濃くなった。
「嘘でしょ・・」
「・・・、ほう、凄いわね」
「これが、クーフーリン、僕の父の本気ですか・・では僕も行きましょうか!」
今の自分ではあの人には勝てないそう思ったコンラは懐から、ルーン石を取り出して、剣の柄頭に空いた穴にはめる、すると剣に赤い魔力を帯びて、それはコンラ全体にまで及んでいく。
「・・〈強化〉のルーンか、自身の魔力をルーン石に込めて、通常よりも、高い能力を得るために開発されたもの、まさか完成していたとわな・・」
「さぁ・・行きましょう」
「こい、コンラ!」
そう告げた2人の姿は、再び消えて・・コロシアムをその余波で破壊されていく、そして、それは数秒で終わりを告げた、その姿を再び現した、その時地上で・・クーフーリンの胸はコンラの剣に貫かれていた。
「ははは、神話では、お前をこの槍で殺していたのに・・まったく・・お前は凄いな、コンラ・・いやアリンク・・」
コンラはその剣を抜くと、一礼した、この戦いの終わりの礼と眠りにつく父親への礼を込めて。
「ありがとうございました・・父上」
「あぁ・・ありがとう、」
クーフーリンは大量の血を流しながら、仰向けで倒れた。
「・・あぁ、眠る前に1つ、アルテミス、これをセレーネに伝えて欲しい・・あの時の言葉、果たせずすまないと・・」
それだけ言うと、クーフーリンはその目を閉じた。
「・・わかったわ、クーフーリン・・さて、後は貴方だけよゲンドゥル」
「・・そうね、貴方1人ではそろそろ飽きてきたところよ・・では、2人でかかってきなさい」
そして、ゲンドゥルはローブを脱ぎ捨てる、その下には先端の髪と羽が黒い白髪白翼の綺麗な少女であった・・・瞬間、白い何かが、コロシアム全体を覆い、2人は不快感からか膝をついてしまう。
「なんだ!?・・・これは」
「なに・・これ、
「あぁ最初にいい忘れたわね、すまない、私は言葉が少ないのだよゲルと違って・・・、私達には恩寵が与えられていて、私、ゲンドゥルには〈魔力の恩寵〉を与えられていているのよ」
「〈魔力の恩寵〉?、そんなのこの異世界では普通に――」
「まだ、言葉が足りなかったみたいね、私達ヴァルキリーには魔に対する耐性がある、魔力も例外ではない、つまり・・ヴァルキリーには魔力は普通保有していない種族で、私だけが恩寵のおかげで魔力を使えるのよ、魔力をもつ者を意味する名を持つ私だけがね」
「・・・待って、この覆ってる黒いの・・もしかして」
「私の魔力よ、さっきまでこの黒いローブで抑えていたのよ」
「いったいどんだけの魔力を・・」
「さて・・私にはわからないわ、それじゃあ・・決死の覚悟でかかってきなさい」
ゲンドゥルは手のひらから、白い炎の竜が1体飛び出して、ゲンドゥルを護るように辺りを舞う。
「・・・これは、ヤバいわね」




