第三十二話 決戦 エン・ギガント 前編
「グガ、ガァァァァ!!」
「無駄よ、この蔦はいくら切れても、すぐにまた・・」
その蔦が、エンらしき巨人の身体に飲み込まれていき、
消えていく。
「これは、さすがに予想外ね、で貴方達、あれをどう思う?」
「あえて、名前をつけるならエン・ギガントだな」
「そういうのは聞いてないから」
「おっ?、早速始まってるな、これは」
その声は、エン・ギガントの頭の上から聞こえてくる・・。
「お前は、確かギルガメシュか」
エン・ギガントはギルガメシュを振り払おうと暴れる、と、「チェストォ!」という声と共に、エン・ギガントの左腕が、吹き飛んだ。
「お次にメデューサね」
「おっ?、アルテミスか、この巨人は何なの?、咄嗟に攻撃しちゃったけど」
「あれ、エンよ」
「マジで?、原型とどめてないけど」
「とりあえず、まずは下で倒れているモリガンを助け――」
「いや、それは某が助けました」
いつの間にか、牛若丸がモリガンを抱えてアルテミスの隣に立っていた。
「うわっ!、どんどんと来るなぁ・・」
「・・・とりあえず、私今いる私、アルテミスとミント ペルセウス メデューサ 牛若丸 メデューサ ヴァハ そしてギルガメシュであれを止めないといけないわねモリガン、貴方は怪我人だから数には入れないわ」
「・・・わかった」
モリガンは渋々頷いた。
「いや、我はやらんぞ?」
「・・・こんな状況なのに?」
「あぁ、今回は7人で当たってもらおうか」
「・・・こんなところで貴方を説得する時間も惜しいわね、私達7人で当たるわよ、まずは四肢を破壊した後に胸を破壊して――」
聞こえますか、アルテミス。
「だっ!だれ!」
「んっ?急にどうした?アルテミス?」
「いや、なんでもない・・」
この声は今は貴方にだけ届いています、心の声でも受け答えできます。
(・・で、私になんの用で)
貴方がこの場で一番エンと関わっているからです。
(なるほど?、それで私に何をさせたいの?)
それを始めるためには、日本の英雄・・というより憑依術が使える人が必要です。
(憑依術ね) 「牛若丸だったっけ?、貴方憑依術は使える?」
「えっ?、某はそうだな・・一応使えるけど降ろすほうは出来ないけど、生きている人を他のやつに憑依させるのは使えるぞ」
「へぇ、それをあのエンに対して使える?」
察しが良いですね。
(まぁ、そう使うとは思っていたわ)
「・・・出来ないわけではないな、手をだしてくれ」
「わかったわ」
牛若丸は指を歯で少し切ってアルテミスの手に、何か文字を血で書いていく。
(なにそのナレーション)
気にしないでください、私の仕事のようなものなので。
「できたぞ、これで相手の胸辺りに触れれば憑依できるぞ、ただ相手が相手だから、相手の魂に飲まれてしまうかもしれないから覚悟はしてくれ。」
「・・わかったわ」
「アルテミス、貴方・・」
「・・皆、私が憑依できる隙をつくって欲しい・・そうすれば、あのエンを助けることができるかもしれない」
「何故お前なんだ?、俺やメデューサでは駄目なのか?」
「貴方達は、そこまでエンと関わっていないでしょう、この中で一番エンに関わりがある私なら、エンを助け出すことができるかもしれない」
「もしも助けれなかったら?」
「そんなことを考えてたら、エンを助けることができない」
「・・・わかったよ、俺らであれに触れる隙を作る、ただ失敗はするなよな」
「わかってるわ、それじゃあ・・行くわよ!」
アルテミス達7人は、観客席から、コロシアム、エン・ギガントのいるコロシアムの中に、飛び出していった。
「さぁ見せてみよ、エン、貴様が築いたものを」




