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死んだ君に恋をする  作者: 深氏(ミーシャ)
2/2

死んだ君に初めて声を掛ける

ちょくちょく書き綴っていくのですが…時間が無くあまり書けないです。

ですが、気合いを入れて書いていきます!!

エイエイオーー!!!

「柊くん!!」

終礼の後私は、柊くんを呼び止める。

「?……なに?」

柊くんは首を傾げる。

それもそうだ。

会話すらしたこともないのに突然話しかけられれば疑問に思うだろう。

「実は……その…。」

ダメだ!!全然声が出ない!!

男の子と話すなんて、何年ぶりだろう。


私は吐き出すように切り出した。

「実は私のノートにこんなのが挟まってたんだ。」

私は制服のポケットからノートに挟んでいた紙切れを柊君に差し出す。

しかし、柊くんは表情一つ変えず答える。

「そんなの知らないよ」

そう答える柊君に嘘はなさそうだ。

しかし、確かにこの紙切れには『柊 正也』と書かれている。

一体どういう事だろう。

柊くんは私の持っていた紙切れを手に取り黙視する。

「これ…僕の字だ。」

愕然した顔で柊くんは紙切れを見つめる。

「5月25日…今日は20日…。」

柊くんはブツブツと何かを呟いている。

今日は20日つまり件の交通事故で死ぬまでにあと5日間ということだ。

「金倉さんはこれ…どう思う?」

「どう思う?って何が?」

どう思うとはこの紙切れの事だろう。

「私は信じないよ」

そう。信じない。

私は予言や都市伝説は信じないタイプの人間だ。

「そう」

柊くんは私のその一言を聞くとそのまま立ち去ろうとする。

そうして教室の出入り口に差し掛かった時

私の方に振り向いて口を開いた。

「でも…気をつけて…。」

「……ありがとう…。」

一応心配してくれてるの…かな?


結果として、何も分からなかった。

交通事故で5日後に死ぬと言われても。誰が信じるのだろう。

いや、…誰も信じない。

少なくとも私は…。


「はぁ〜、帰ろ。」

結果として何も得られなかった訳で……


私は教室を出て突き当たりの1階に繋がる階段に向かい、そのまま下駄箱へ。

少し大きめの校庭にはベンチに座ってラブラブしているカップルや部活動を勤しむ生徒がいる。

「頑張ってるなぁー」

新学期終わりということもあり七月、夏の大会に備え力を入れている部活が映る。

「帰ろ」

映る生徒が眩しく見え。

逃げるようにそのまま学校を出る。


帰路に位置する台原公園の噴水広場には覚えのある顔がベンチに腰をかけている。

柊くんだ。

ちなみにここ台原公園は、私の住む宮城県仙台市にあるこの付近では結構広い公園だ。

日中は散歩をする人やピクニックをする家族で溢れている。

「こんな所で何やってるの?」

噴水孔から水しぶきが舞っている。

見ているだけで涼しい此処は5月の陽気にはもってこいのレジャースポットでもあった。

「別に何もしてないよ」

という彼は本を読んでいる。

おそらく小説だろう。彼は確か教室でもよく本を読んでいた。

「何読んでるの?」

「『鼻』」

「ふる!!」

彼が読んでいたのはかの有名な小説家、芥川龍之介作の短編小説であった。

彼は変わり者なのだろうか。

この年代だとライトノベルや漫画本などが一般的だろう。

「この本はほんとに面白いよ。人の心理や…」

彼はその本に対して長々と語り出そうとする。

「うん。それはまた今度で…」

「そうしよう。この本を語るには場所が不釣り合いすぎるね。」

「いや、場所の問題じゃないから。」

彼はそう言うとまた読書に戻る。

私は理由もなく突拍子もなく彼の空いているベンチの横に座り込む。

すると彼、柊正也はそんな私を訝しい様子で横目に見てくる。

「なんで僕の隣に座るの?」

「ダメ?」

「いや、ダメじゃ無いけど」

………


何時間経っただろうか

気づけば当たりは暗くなり何巡目なのか分からない小説を「フゥ〜面白かった。」と言い閉じた。

私はただぼーっと彼の隣に座ってただけだったが不思議と苦ではなかった。

「そんな面白い?」

「これのこと??」

「その他にある?」

と私。

すると彼は目を閉じて自分がその物語に入り込んだかのように話し出す。

「これは不幸や幸福、妬み、などなど主人公の思考の移り変わりなどが冒頭と最後で変わっていて……」

あっ、これはやばい。止めなきゃ!?

と思った私は

「あっ、やっぱりいいや」

と彼の語りを止める。

これは止めなきゃ最後まで話すつもりだろう。

「仕方ないね。

また、今度、…」


彼は少し不貞腐れながらベンチから離れる。


「では、道中は気をつけてください。変な予言もあったので…」


「う、うん、…」

彼は私とは別の方向へ向かって行った。


「……なんか悪いことしたかな?」

この小説まだまだ続いていくので応援よろしくです!!

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