白い魔女
今度は湖を超え、山を越え、森を超え、さらに海に出ました。
海の上をさらに行くと、小さな島がありました。
「この島です。真正面からいきますね」
「OK牧場」
「剣を抜いてください」
「OK牧場」
僕は剣を抜いた。剣の意思が僕の意思に代わった。
そのまま、青いペガサスは島の真ん中にある大岩で閉じられた洞窟の前に行くと
「ここで、悪口の限りを言ってください」
僕は青いペガサスに言われたとうり、大声で悪口の限りを叫んだ。
「アホ~~バカ~~~死ね~~~殺すぞ~~~学校くんな~~~
俺の親えらいんやぞ~~センコウに言うても無駄やからな~~~」
(つい、毎日クラスの不良に言われてた言葉がでてしまった)
洞窟から、4つ目の巨人が眠そうな目をこすって現れた。
手が4本あった。その手に斧やこん棒を持っている。
巨人は腹黒田高校1年の田中太郎を睨みつけるとおぞましいぞっとするような雄叫びを上げた。
巨人が身構える間もなく、僕は体が勝手に動いて、剣は巨人の心臓に突き立てられた。
水道管が破裂したように大量の血が噴き出した。
恐ろしい光景だったが、巨人は断末魔の叫び声をあげ、
青いペガサスに撃ちかかったが、ペガサスは僕を乗せて天までいきなり駆け上がった。
島の真上の雲の中から。巨人の最後の呼吸の音がすさまじい轟音となって響き、
その音が止まった。
青いペガサスは急降下して、洞窟の前に降り立った。
「この巨人は人食い鬼で、この奥にはつれさられた子供たちが
巨人の食糧として閉じこめられています。解放してあげてください」
僕は青いペガサスのあとについて、おっとりがたなで洞窟に入った。
奥の方に子供たちのすすり泣く声が聞こえた。
奥に薄暗い鉄格子の牢獄があり40人くらいの5歳~12歳位の
男女の子供が閉じこめられているのが薄暗い明かりの中で見えた。
「さあ、安心するように言ってあげて。私の声はあなたにしか聞こえないので」
「おーい、子供達、おにーちゃんが、人食い鬼を退治したよ。」
剣が勝手に洞窟の奥の牢獄につけられていた大きな鉄のカギを壊した。
グァシャーーン!!
牢獄の扉が開いた。
「わーーん、わーーん」
40人の子供たちがてんでに洞窟の外に飛び出していった。
僕が洞窟の外に出てみると、そこには虎に乗った老婆がいた。
白いローブを着て白いつば広帽を被り、とても上品で優しそうなおばあさんだった。
水晶のはまった金の杖を持っていた。
「私は白い都を治める、青き女王の4人の叔母の魔法使いの一人、白い魔女です」
老婆は虎に乗ったまま、僕に頭を下げて礼を言った。
「私の治める白い都の子供たちがこの人食い鬼にさらわれて、
どうにもできずに困っていました。
子供たちを助けてくれてありがとうございました。
あとは私が魔法でこの子供たちを親たちの元へ連れて帰ります。
青き勇者よ、ごくろうさまでした」
「テヘペロ」
僕はーー剣の意思でだけどーーーーさっそうと青いペガサスに跨ると、
そのまま天空へ駆けのぼり、可愛い乙女のいる輝く銀色の城を目指し帰路についた。
海を越え山を越え湖を超え森を超えて、輝く銀色の城に帰ると、
バルコニーに可愛い美人のおねーさんがまっていた。そして僕のほっぺにchu!をしてくれた。
「青き勇者さま、おつかれさま。お風呂と夕食のご用意ができてますよ」
「はーい。かーさん、すぐおふろはいるから、あと洗っとくねーー」
僕は、つい家での母とのマニュアルの会話が出てしまった。
お城のコック長らしき人物が女王の横にいた。
(びっくり!)
「なにか夕食に食べたいものはありますか?」
僕は「バケツいっぱいの濃い乳脂肪のアイスクリームが食べたいな。
チョコレートのたっぷりかかってるやつがいい」
「承知しました」
「わーーい(((o(*゜▽゜*)o)))」
僕はそのままお風呂を目指したが、またお城の中で道に迷って
一人ではお風呂に行きつけず、またあの10歳位の小姓の男の子に助けてもらった。