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青き勇者さまのお着替えを

女王はひとしきり泣くと、独り言

「はぁ……青き勇者様とはこれから後100年位はお付き合いするのですから、

 ゆっくり分かり合えばいいわ」


女王は自分のほっぺをパンパンとたたいて、作り笑顔をすると、

心を田中太郎への愛でいっぱいにして、

隣の部屋の扉を開けました。


「青き勇者さま、食事になさいませんか?」


「うん?」


二度寝していた僕は、夢うつつで起き上がり、


「かーさん、もうちょっと寝かせてよ。食器はちゃんと洗っとくからさ」と言いました。


「青き勇者さまのお着替えを」


女王が手をパンパンとたたくと、数人の若い男の召使が現れ、

たちどころにタンスにあった貴族の服の1着を取り出し、

靴に靴下と着替えが終了しました。


「ふにゃ~」


寝ぼけ眼の僕の手を女王は引いて、階下にある昨夜フルコースを

食べた大食堂へ連れて行ってくれました。

テーブルは少し小さめのテーブルに替えられていましたが、

それでもお互いに向かい同士に座ると、声は聴きとりづらい位大きなテーブルでした。

そのテーブルのこっちと向こうに座り、召使にかしづかれ、

朝からすごく手の込んだ美味しい料理をたくさん食べました。

召使からやんわりと、マナーをひかえめに教えられながら、僕はおもいっきり食べました

(朝ごはんはいつもカップラーメンで、昼は菓子パンと牛乳だったから)

口が汚れると、召使がさっと僕の手より早く、拭いてくれます。

すべて、銀の皿に銀の器に銀の食器

・・・・天井の上には水晶でできた大きなシャンデリアが輝いています。

左側は扉がすべて開け放たれ、中庭からのそよ風が入ってきます。

大食堂から見える中庭はあらゆる花が咲き乱れ、

中央には美しい噴水が気持ちよく水を噴き出していました。


「ぼくの学校の校舎の中庭より広い中庭だなぁ」


と横目でチラチラ見ながら

でも、それに注意がいってたのは数秒だけ。

僕は、生まれて初めて食べる朝からの豪華な食事に夢中で、

召使の教えてくれるマナーを気にしながら

16歳の健康男子の胃袋のままにガツガツと食べたいだけ食べました。

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アイリス大賞5
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