街はお祭りの祝賀パーティ
今日は何かのお祭り。僕にはわからないけど、
とにかくバルコニーの下の広場には、
おおぜいの国民が集まって、祝賀パーティが大規模に開催されていた。
町の楽隊が城のバルコニーの下で音楽をにぎやかに演奏している。
大勢の国民は……人間にまじって、ぬいぐるみや、おもちゃや、小人、
服を着たクマやイヌ、ネコ、ウサギや小鳥がいた。
そいつらがまるで、人間と変わらずに自由にしゃべっていた。
女王のおごりの大量のご馳走が大皿に盛られ、
ビッフェ形式に街の大きな広場のど真ん中に大量におかれていた。
ケーキにビスケット、クッキーに、そしてたくさんの大甕に
満々と色んな種類の果物のジュースやワインやシャンペンが
満たされていて、飲み放題。
何千人もの不思議な動物も含む町の人々はてんでに着飾り、
楽しそうに女王の気前の良いご馳走を手に手に皿とフォークを持ち、
ぱくついていた。
街の街路の垂れ幕に
『青き女王主催;新しい青き勇者様歓迎祝賀パーティ』と書かれている
銀色の城の中に、女王が見えなかった。
バルコニーで小姓の少年の説明が長々と続いたので、
それを聞いていた腹黒田高校1年の田中太郎は、
女王がにこやかにバルコニーに出迎え、
彼にキスするとどこかへいってしまったのに
気づかなかった。