緑の魔女と緑の都市
次の日、銀の都の城壁の外の、この前行った、池の畔の木漏れ日の花園で、
僕はそよ風に吹かれながら女王の膝に頭を乗せていた。
女王がオレンジを一袋ずつ皮をむいて僕に食べさせくれていた。
甘酸っぱいオレンジの美味しさ。
永遠の18歳の若さを持つ不死の魔法使いの女王は、
昨日と違う盛髪のヘアスタイルに白い花を散らし、
青いロングドレスはあちこちにいっぱい青いレースが
ひらひらついたお姫チックなものだった。
足は宝石のついた青いパンプス。
「つぎは葡萄が食べたいな」
「ええ」
女王は超可愛い顔でにっこりすると、
大きな葡萄の一粒を皮をむいて種を取って僕の口に入れてくれた。
(ぐひひひひひひ)至福の時。もういつ死んでもいいや(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪
「そろそろ、つぎの冒険に行ってくれますか?」
女王が言った。
「うん、行く」そう言うと僕は起き上がった。
僕たちは女王の間に行った。
「次は、どこへ行けばいいの?」
女王「次は緑の都市の冒険ですね。」
僕「じゃあ、いってみよー」
女王と僕は女王の間の後ろにある魔法の鏡の間から
ヒスイの縁の大きな鏡の中に入った。
水面を抜けるような感じがして、
もうそこは緑の都市の緑の魔女の広間だった。
女王「緑の都市はこの世界のかなり南にあります」
緑の魔女はデブの大きな体の厚化粧のおばさんだった。
デブの身体に緑色のローブを着て、
厚化粧に付け睫毛して深緑色のラメのはいったアイシャドウと
マニキュアをして、大きなヒスイのついた金の杖を持っていた。
緑の魔女は大きな声で言った。
「説明するより、まず外に出てみて」
僕と女王は緑の魔女の広間から扉を開けて街へ出てみた……
はずだったけど、街があるはずのそこは、深いジャングルだった。
僕「あれ?えええええ??街はどこ?」
緑の魔女「ここがその街なのよ。呪いで緑の都市は人間たちは鳥や
虫や動物に変えられて、建物は大きな樹木に変えられたのよ。
つまり、どこまでが外のジャングルでどこからが
都市かは今は見分けがつかないわ」
僕「へえ!? 僕はどうすればいいの?」
緑の魔女「なぜこうなったのかもわからない。
だれがこの呪いをかけたのかもわからない」
女王「あらゆる呪いを解くことのできる聖なる道具が」
緑の魔女「この子の涙なのよ」
僕「へ?!」
女王「……」
緑の魔女「青き女王の涙なのよ。
だからジャングルの奥地へいって切ると大量の涙がでる地獄の玉ねぎを
探してきて欲しいの。
まあこの子を多少ぶったりたたいたりしてもOKなんだけどね……」
女王「やめてください。叔母様!!」
デブの魔女はニヤニヤ笑っている
僕「女王の涙はどれくらい必要なんですか?」
緑の魔女「バケツに1ぱい以上いるね」僕「!?」
僕「あのね、一度に欲張らなくても、女王は結構泣き虫だから、
何か月かかけて、少しずつ呪いをといていけばいいんじゃないかな」
緑の魔女「すでに、そのやり方は試したのよ。
でも呪われた街が一部でも残っていると、
呪いを解いたところもまた呪われて元に戻ってしまうのよ。
つまり、呪いを解くには、この街全体を一度に解かなきゃだめなのよ」
僕「それって、めちゃくちゃひどくない?」
緑の魔女「仕方ないでしょ。他の……」
女王「私が頑張りますから、青き勇者さま、お願いします。
地獄の玉ねぎを取ってきてください」
僕「……あの……無理ないでね……」慰めにならないか……
女王は宝石を散りばめた黄金の杖を振ると、青いペガサスを呼んだ。
僕は青いペガサスに乗ると、ジャングルの奥へと飛び立った。




