赤い魔女
青いペガサスはひと飛びしてすぐに2人の悪魔のいる湖の岸辺の近くに着いた。
青いペガサスが言った。
「目隠しして」
「ほい」
僕は首に緩く括ったスカーフを目の高さに括りなおそうとした。
まわりを見ると、100人位の人が目をハートマークにして
同じ方向を向いて、呆けたように立っていた。
僕は、そのうちの一番近い一人のおじさんに話しかけた。
「おっさん、なにしてんの?」
おじさんは答えなかった。
「はぁぁぁ~」ため息だけが聞こえた
見た感じ、もう顔色が灰色に近く、生きてるのも不思議な感じだった。
この人たちはいつからここに立ってるのだろうか?
スカーフを目の高さに括り直し、目隠しをした。
剣を抜き放ち、剣の意思(?)に身を委ねた。
身体は勝手に動き始めた。
どこかを目指して僕の身体は歩き始めた。
しかし、少し歩いて立ち止まり、そこから動かない。
剣は(?)何か困っているようだ。
1時間ぐらいたったけど、動かない。
青いペガサスの声が頭でした。
「敵が攻撃する意思を持っていないので、動けないようですね」
僕「そうなのか。どうすればいい?」
青天馬「敵が別の姿になれば、なんとかなるかもですが」
僕「こいつら、言葉はわかるの?」
青天馬「言葉ですか?通じると思いますが」
僕「じゃあ、変態作戦でいくか」
青天馬「?!」
腹黒田高校1年の田中太郎は目隠しは取らずに青い鎧を脱いで
下着も脱いで裸になってフリ珍になった。
尻をふりふり、挑発ポーズをして
「あほ~~ばか~~~〇〇××こ~~~くそ〇××~~~ど〇×〇」
大きな金属音のような叫び声がした。2匹の悪魔は腹を立てたようだ。
剣が反応した。
剣の聖なる力が解放され、悪魔達になにか変化が起きたようだ。
僕には見えなかったけれど、僕が剣を掲げると、遠くにいた悪魔の姿が、
絶世の美男美女だった二人の姿がだんだん崩れ始め、
二人の口から黒と赤の瘴気が二つ抜け出した。
それはぐるぐると回転し、そのまま僕に襲い掛かった。
僕の右手が勝手に動いて、目隠しを外した。
黒と赤の瘴気の中に、2つの悪魔の顔が見えた。
牙をむき、
2匹の悪魔は姿を変え、2メートルくらいの真っ赤な炎のような姿になって僕に襲い掛かってきた。
それより早く、僕は(剣は)剣を構えることもなく、剣を振り下ろし1刀で右の悪魔を両断し、返す刀で二匹目の悪魔を胴体で真っ二つに切断していた。
すさまじい叫び声が上がり、悪魔は砕け散った。
まわりにいた百人ほどの人たちは、ハート目が普通の目に戻り、その場にへなへなと座り込んだ。
数人が小さな消え入るような声で
「青き勇者さま、ありがとう」と言った。
百人のだれも、土気色の顔色で生きているのが不思議なくらいで、動けなかった。
青いペガサスがやってきて言った。
「ひどい作戦でしたね、とりあえず、下着つけてくださいね」
僕は裸なのを夢中で忘れてた。赤くなってパンツを履いてシャツを着た。
鎧は一人で着るのが難しかったが、なんとか着た。
そこへ赤い魔女が沢山の赤い小鳥に曳かせたバスケットに乗ってやってきた。
赤い魔女はバスケットから地上に降りると、なにか呪文を唱えて、力を解放した。
あたりに光のキラキラが飛び散ったかと思うと、土気色だった人々の顔に血の気が甦り、人々はてんでに大きなため息をつくと、
「あ~~助かった。すごい美女がいると聞いて見にきたらえらい目にあった」
「すごいイケメンがいるって聞いたんで来てみたら、ありえな~い目にあったわ~」
赤い魔女「みなさん、赤い都の自宅まで歩いて帰れますか?」
「きついなあ~魔女さま~~なんとかして~」
「仕方ないですね」
赤い魔女は呪文を唱えると、赤い小鳥が100羽ほど、バスケットから外れて、大きくなった。
「みなさん、その赤い小鳥に乗ってください」
「はーい」
人々はなんとか手近な赤い小鳥に乗った。すると小鳥たちは飛び立ち、赤い都を目指した。
赤い魔女「ご苦労様です。私がパラメータあげたのはあまり役にたたなかったみたいですね」
青いペガサス「いいえ、おかげで悪魔を一刀両断にできましたよ。
赤い魔女さま、ありがとうございます」
僕は赤い都に帰ると、そこで待っていた青き女王と共に銀の城に帰った。
そこで、ぼくは風呂屋みたいな大きなお風呂にはいり、
湯だりそうになるまでバタ足で泳いだ後、
上がって召使に服を着せてもらい、
女王と大食堂ででっかいビーフステーキとメロンをたらふく食べて、寝た。
(僕の部屋~~~♪僕のベッド~~~♪(((o(*゜▽゜*)o)))わーい)
もう人生最高だった。




