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白、赤、黄、緑の都市と魔女たち

女王の膝の上で女王に優しく髪をなでられながら、

実は僕は固まっていた。


「……」


ーーありえない、ありえない、ありえない。こんな極楽あったら、

 残りの人生、地獄が来るうううう


そう考えて、幸せを受け入れられずに僕は地獄だった。

物凄く僕がストレスな顔をしているのに、女王は気づいた。

彼女はにっこり笑うと、


「青き勇者さま、そろそろ冒険に行かれますか?」


「うんうんうん、いくいくいく!!」


僕がシャキンと跳ね起きると、女王はやさしく僕のほっぺにキスをした。


ーーありえない。こんな極楽あったら、残りの人生、地獄が来る!


女王は優しく笑いながら


「このジルコニアの世界は中央に銀の都市。

 青き女王であるわたくしの治める都です。

 東西南北に白の都市、赤の都市、黄の都市、緑の都市。

 それぞれにわたくしの叔母で後見人である4人の魔女が治めています。

 白の魔女、赤の魔女、黄の魔女、緑の魔女です。」


「僕、白の魔女は会ったよ」


「そうですか」


「銀の都市はダイヤモンドの都市、白の都市は水晶の都市、

 赤の都市はルビーの都市、黄の都市はコハクの都市、

 緑の都市はヒスイの都市とも呼ばれます。」


僕「ふうん」

 

「白の都市の問題は片付きましたが、あと、赤の都市、

 黄の都市、緑の都市の冒険が残っています」


「一番、緊急性の高いのはどれ?」


「白の都市の次は、赤の都市の冒険ですね」


「じゃーーそれいってみよーー!!」


「銀の城に戻り、魔法の鏡の間から行きましょう」


「OK牧場」(自分でなんとダサい返事だろうと思った)


僕と女王は城に戻ると、女王は僕に魔法の青い鎧を着るように言った。


「鎧はどこにある?」


「あなたのお部屋にありますよ」


すぐに、3人のいつもの若い男の召使たちがやってきた。

3人の召使はてんでに僕をひきずって僕の部屋へ連れて行ってくれた。

部屋の奥の暖炉の前に鎧と剣と盾が飾られていた。

直ぐに、僕は完全武装させられて、女王の間の後ろにある

魔法の鏡の部屋に連れていかれた。

その部屋の壁にはたくさんの鏡があったが、どれも映っている景色は違っていた。

東西南北に水晶の縁の鏡、ルビーの縁の鏡、コハクの縁の鏡、ヒスイの縁の鏡があった。

女王は完全武装した僕を連れて、大きなルビーの鏡の中へ入っていった。

水面を抜けたような感じで、僕は赤の都市の赤の魔女の広間にいた。

目の前に赤いローブを着た赤い眼鏡をかけた40歳くらいの痩せたおばさんがいた。

卵ほどの大きさのルビーをはめ込んだ金の杖を持っていた。

この人が赤の魔女だなと思った。


「青き勇者さま、あなたの鎧のサファイアにルビーの力を加えましょう」


「?」


僕は自分の着せられた鎧をよく見ると、その青い魔法の鎧は、

地金は銀でその上にサファイアのようなガラス?が焼き付けられていた。


「これサファイアなの?ガラスじゃないの?」


「その鎧のガラスみたいなのは本物のサファイアですよ」


「へえ!?」


「しかも、魔法のサファイアです」


赤の魔女は自分のローブのポケットから杖にはめ込んであるのと同じくらいの

巨大な卵位のルビーを取り出すと、空中に投げた。

ルビーはいきなり粉々になり、僕の鎧にかかった。

一瞬、鎧が紫色になり、また元の青色に戻った。


「これでよし」


赤の魔女は言った


「私の魔力は少し下がったけど、これであなたのパラメータは10%位上がったわ」


僕「?」(わかんねえよ)


女王「じゃあ、青いペガサスを呼びましょう」


僕「ねえ、銀の城から青いペガサスでここへ飛んでくればよかったんじゃね?」


女王「ここはものすごく遠いのです。

   魔法の鏡で来ないと、青いペガサスでもここに来るのに一晩かかります」


僕「へええ、そうなんだ。ジルコニアってすげえ広大なんだなあ」


女王「一つの世界ですからね」


僕「でどうすればいいの?」


赤い魔女「実は、ここから北の湖の岸に2人の男女の悪魔が現れて、

 その二人が悪魔なのは気でわかるのですが、

 問題はなんにもして来ないことなんです。」


僕「?」


赤い魔女「ただし、二人とも絶世の美男美女に変身してるんで、

 それを見た街の人々は、男も女も魅了されて、腑抜けになり、

 二人のそばへ行って、ただ生気を吸われているんです。

 そのうち、死ぬでしょうね」


僕「倒せばいいんだね?」


赤い魔女「そうですね。ただ殺意もないし、攻撃もして来ない相手に、

 なすすべもないんですよ」


僕「よくわからないけど」


赤い魔女「とりあえず、行けばわかりますよ」


女王「ただし、敵を見てはいけません。

 いくら青き勇者でも魅了されます。

 目隠しをして、剣にまかせたらいいでしょう。

 そういう理由で青いペガサスも近くまでしかお送りできないでしょう」


女王は宝石を散りばめた金の杖を振り、青いペガサスを呼んだ。


女王「気を付けて。無事なお帰りをお待ちしてます」


赤い魔女「ご武運を」


僕「いってきまーす」


僕は女王から目隠し用の絹のスカーフを渡された。

それを女王は首に結んでくれた。





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アイリス大賞5
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