疑問、不安
「……?」
金髪の超ウルトラスーパー美少女(私の語彙力のせいでちんちくりんになってる)は、私の顔を見るなり目をぱちくりさせる。
「あ、あの」
私が声をかけると、金髪の子はハッと目を大きく開く。
「ご、ごめんなさいっ!黒い髪の毛が珍しくてつい…悪気はないの」
わたわたと手をばたつかせるその姿は可愛い。可愛いんだけど。
私の膝が限界に近い。痺れてきた。
「す、すいません…1回降りてもらっていいですか」
目が覚めて早速これ。もう嫌われても仕方ないと思う。
「え?…あぁっ!」
今自分がどんな体制になってるのか分かったのか、声を上げてすぐに立ち上がる。
「わ、私失礼なことばかりして…ほんとごめんなさいっ」
何回も頭を下げられる。なんかこれ私が悪いことしてるみたいにみえない?大丈夫?
「大丈夫なのでそんな謝らないで……」
わたしまで申し訳なくなってくる。
「よ、よかった…あの、助けて下さりありがとうございます。」
なんて礼儀正しいんだろう。
そして私は気づいた。この子……羽生えてない?少し透けてるけど。
「その羽、コスプレかなにかですか?」
羽を指差すと、その子はキョトンとする。
「は、羽はみんなついて…ってあれ、貴女は……」
私の後ろを見るなり、彼女は驚いた顔をする。
「あ……れ、なんで」
急におどおどし始めた。
「大丈夫ですか?」
そう声をかけると、顔を青ざめた。
「ここって地上…?ニンゲンが住む……」
大きな瞳にうっすら涙が溜まっているのが見えた。
「そうですけど…あなた人間じゃないんですか?じゃあその羽は…」
「はい、私のこの羽は飾りじゃないです…ほら」
パタパタと羽が動いた。飾りではないらしい。
聞きたいことはいっぱいあるけど、ここに居たら近所の人に見つかっちゃう。
「と、とにかくここに居たら目立っちゃう。私の家に来ませんか?」
そう提案すると、彼女はこくこくと小さく頷いた。
私の家までそう遠くはないし、大丈夫だろうと思い、そのままゆっくり2人で歩き始めた。