出会い
それは、偶然か、はたまた運命だったのか。
私、萌木たま。
普通の女子高校生だ。
ある日の夜、友達と遊んだ帰りに、1人で歩いていた。
その日の月はまんまるで、とても綺麗だった。
「綺麗な月…いい事あるといいなぁ」
空気も澄んでいたからか、月の他にキラキラ光る星も見えた。
家の近くの公園の前を通ると、突然ビュウと強い風が吹いた。
「っ!?な、何!?」
キョロキョロと辺りを見回すと、公園の真ん中に女の子がいた。
いや、"いた"というのは間違いだ。
その後の周りだけキラキラした風がぐるぐると吹いていて、女の子のクッション的なものになっているようだった。
「え゛!!?なっ、ちょ!?」
また周りを見回しても人がおらず、しんとしていた。
まるでその女の子の周りだけ時が動いてるかのように。
(え、でもあれ落ちてる、よね?)
風が落ちてきた女の子を支えているようにしか見えない。
(周りに人いないし…あーもう!!!)
意を決して、私は女の子の元へ走る。
女の子を抱きとめるように、女の子の真下辺りで膝をつき、腕を伸ばす。
まるで某映画のようだ。
「親方!空から女の子が!」
なんて有名なセリフが脳内で再生される。
不思議なことに、私が抱きとめようと構えると、風はひゅるると小さくなっていった。
ぽすんと女の子が膝に着地(?)する。
顔をよく見ると凄い綺麗な顔立ちをしていた。
(寝顔でこんなに綺麗なら目が覚めたらどうなるんだろう)
なんて妄想するが、今はそんな場合ではない。
(いや違うでしょ!今やるべき事はこの子の意識があるかどうかの確認でしょ私のバカ!)
ブンブンと頭を振ってさっきの考えを消し去る。
「あのー…」
軽く体を揺すり、声をかける。すると、
「んん……」
もぞもぞと少し体を動かした。どうやら死んではいないようだ。
「よ、よかった!生きてた……」
そう言うやいなや、女の子の目が少しずつ開いていく。
「あ、起き…た……」
ぱっちりと開いた瞳は、少し薄い青色をしていて、目の中はキラキラと虹色に輝いていた。
薄い金色の髪に、毛先から上にかけて綺麗な緑のグラデーションがかかっている。
(いやまて……くっっっそ可愛い)
この子本当に人間なの?
そう疑うくらい美しい姿をしていた……