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どこへでもお届けします
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お題[贈り物]
「またか」
差出人と宛名のみが付記されたきれいな箱を持ち上げ、小さく息を吐く。
グローバルの気運が高まったせいか、固定の住所を持たないものが増えてきている。特に私たち有翼人種のような移動が得意な種族が特に顕著だ。気持ちがわかるだけに、強く非難できないのももどかしかった。
「早く届けられないのは、許してね」
他の手紙類とは別の鞄に入れ、背伸びをして立ち上がる。
場所なんてわからなくても、みんな誰かに想いを届けたいのだ。
時間や距離は、人の想いを遮らない。私はその手伝いをする。そのことが私はとても誇らしい。
他の手紙類を配るために各地を回りつつ、箱の入った鞄を一瞥する。
「…中身が食べ物だったら、嫌だなあ」




