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かけた
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お題「絵」
額縁で飾られているソレは、紛れもなく自分の姿だった。
天然パーマに、ずれた眼鏡で、よれたワイシャツ。いつもの格好で、いつものように2階の美術室で絵を描いていた姿を捉えたものだった。何の変哲も、面白みもない絵だ。僕以外が見たら、眉をしかめてすぐに隣の絵に移るかもしれない。
でも僕は立ち止まり、その絵から視線が離せなかった。絵の中の、絵を描いている僕自身に、嫉妬した。
今まで何度だって通った場所で、何度だってやってきた過去が、羨ましい。
逃げ出したのは僕自身で、自分の意思で絵から遠ざかったのに、何を考えているんだろう。
我儘で、自分勝手なのはわかっている。
それでも、階段に向かったその足は、止められなかった。




