突然の別れ
プルルルル
プルルルル
プルルルル
朝早く、家の電話が鳴った。
眠たい目をこすりながら私は電話にでた。
「朝早くにすみません。小出朔弥さんのお宅ですか?私警察のものですが…」
それは、最愛の夫の死を知らせる電話だった。
前日の夜から仕事に出た夫は、仕事中に交通事故に巻き込まれたと、連絡があったのだ。
即死だったそうだ。
あまりにも、信じられない連絡に私は状況を飲み込めずにいた。
近所に住む義弟に連絡をとり、警察署へ身元確認へと向かったのだった。
「莉南さん大丈夫?」という義弟の問いかけに、うなずくのがやっとだった。
義弟に支えられながら、安置室に通された。
「小出朔弥さんで間違いないですか?」
私はその場に座り込んでしまった。
額に大きな傷があった。
夜には元気に出かけて行った夫が、変わり果てた姿で横たわっていたのだ。
「間違いありません。兄です。小出朔弥です。」
頭上から義弟の声がした。
その後、警察から事故の経緯の説明、今後の対応の説明があった。
夫は仕事で4tトラックで高速道路を走行していた。そこに居眠り運転の10tトラックが突っ込んできたそうだ。
救急車が到着したときにはすでに息はなかったそうだ。
説明を終わり家へもどる。夫の死を受け入れることが出来なかった。
憔悴しきった私を心配した義弟は何も言わずにそばにいてくれた。
だが、いつまでもそうしてるわけにはいかない。
私たち夫婦には親は一人もいない。親せき付き合いも義弟だけだ。
とはいえ葬儀をしないわけにもいかず、義弟が取り仕切ってくれた。
若くして亡くなった夫を偲ぶ、会社の方や友人が来てくれた。
義弟のおかげで、無事に葬儀も執り行われ納骨も済んだ。
「莉南さん。提案何だけど、兄さんがいないこの家に一人でいるのは辛くない?まだ一人にしておくのは心配だし、俺ここに引っ越してきてもいいかな?」
義弟は、心配そうな声でそう言った。
「……茂治さんに迷惑掛けるわけにはいかないよ。大丈夫。一人で何とかなるから」
「……ごめん。正直に言う。俺ここに居たいんだ。もちろん莉南さんも心配だけど、今回の事で一緒に居たいって強く思ったんだ。」
義弟の言っている意味が理解できなかった。義弟はさらに話を続けた。
「不謹慎だとおもう。でも兄さんが亡くなってもう2ヶ月。近くで莉南さんを見てて思ったんだ。俺やっぱり莉南さんが好きだ。」
私の事を好き?理解できなかった。
「もちろん、俺の事好きになってくれだなんて贅沢は言わない。だからただそばに居させて欲しい。」
「……いいよ。まだ家事もやる気が起こらないし、何の役にも立てないけど一人でいるとね朔ちゃんの事考えちゃうの。ただいま~って帰ってくるんじゃないかって」




