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秋桜 -ZERO-   作者: 七地
3/10

-2年後-


進学校、紫苑学院生徒会会長、チーム朱雀総長


…背負いたくて背負っている訳じゃないこの肩書き。


邪魔で仕方がない。


拓弥と廊下を歩いていると、前から女子生徒が歩いて来た。


「うっわ…おさげのメガネなんて初めて見た」


拓弥が大袈裟に驚き通りすがった女子生徒を見ていた。


「拓弥、おまえでも食指が働かないか?」


確かに通り過ぎた生徒は地味だった。自分達の周りには決していないタイプ。


吐き気がしてきそうな甘ったるい香りと媚びるような視線。いつもオレ達の周りには着飾った女達が纏わりついている。


五月蠅くて、仕方がない。


「もしもし?」


携帯で話す声が聞こえてきて鳥肌が立った。


「1人で帰ってもいい?」


この声は…振り返ると生徒はいなかった。


――梨桜?



数日後放課後に偶然寛貴の後輩がメガネの女子生徒に声をかけた振り返りぎこちなく挨拶する彼女は“東堂梨桜”と名乗った。


2年前の彼女だ。


あの時の可愛らしい顔はメガネで隠されていたが、目を見るとあの時のままだった。



・・―――


   ―――・・



梨桜を強引に生徒会役員に引きずり込んだが、気になる事があった。


2年前、青龍の幹部を張っていて梨桜に出会った。オレ達が張っていたのは宮野葵と三浦愁。


あの時梨桜は、青龍の現在のナンバー2、三浦愁の事を友達だと言っていた。


それなのに、生徒会の会合で3人は初対面のフリをした。



梨桜は2年前のオレの事を覚えていないらしく、何時までもよそよそしく藤島先輩と呼ぶ。


宮野を何の躊躇いもなく“葵”と呼び捨てするのに…


――振り向かせればいい――


単純にそう考えて、後から後悔した。

梨桜を危険に巻き込んだ。


くだらない男の嫉妬と意地で彼女に怪我を負わせる原因を作ってしまった。それはオレと宮野にのしかかった。



.


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