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異世界にこそ厚生労働省が必要!ブラックは許しません!異世界労働事件簿!

作者: naturalsoft
掲載日:2026/08/22

ここは異世界。

剣と魔法の世界。

しかし異世界とはいえ、人間が暮らし文化があるのなら、様々な統治や政策があり人々が生活している。

ここは中世ヨーロッパに近い文明の世界である。


そしてとある女性が前世の記憶を取り戻し、国王の補佐官になったことで物語は動き出す。


ご機嫌よう。

私はこのノーマル国の第四王女として生まれたシオン・ノーマルは幼少の頃に前世の記憶を取り戻した。そして、この国のことを勉強している時に、この国の政策の不具合を見つけ助言したことから、国王及び宰相さんから意見を求められることになった。


幸い、この国は実力があれば女性でも官僚になれるので私には有り難かった。四女と言うスペアのスペアと言うことで自由な身の上も幸いした。


そして父親である国王も善政を敷く良い王様でもあった。


こうして幼い頃から国政に携わっていた私はいつからか、国王に助言する立場の宰相補佐に任命された。


「ふむ?それで、シオンの言う新たな部署、『厚生労働省』とはどのような部署にする予定なのだ?」


「はい、今、教会が担っている貧民の保護などを国が主導で行う部署です。言葉は悪いですが今は国から支援金を教会に出すだけで、貧民の救済は教会が行なっています。それを具体的な指示を国が出すと言った感じになります」


「それでは教会から反発がありますな。教会の自治権を奪うということで」


「それなんですが、そもそも教会に貧困の救済をさせるのが間違っているんです。お金もないのに。単純に信徒を集めたいからパフォーマンスとして慈善事業を行なっているだけでしょう?実際に国からお金を出して、その何割が貧民のために使われているかなんですよ」


国王も宰相も苦笑いをした。


「耳の痛い話だな」

「それに幼い孤児院の子供を二束三文で朝から晩まで働かせているのが問題です。せめて畑作業などで自分の食い扶持を稼ぐくらいは仕方がないとして、教会はその子供達の給金をピンハネして懐に入れています。教会の上層部はどうして太っているかたが多いのでしょうね?」


末端のシスターや司祭はまとも無のに教会上層部が腐っているんだよなぁ~


「近いうちダイエットさせましょう」


不正を見つけて牢屋の中で……ね。

クククッ。


「おっと、話がそれました。この国民の為の部署を告知した所、タレコミがさっそく来ました」


「早いな」


「教会に言っても相手が貴族だと対応してくれないからと言うことでした。現状、厚生労働省のトップは王女である私ですからね」


「ふふっ、シオンより上の立場の者は限られているからな」

「全ては国王陛下のおかげです。この部署が軌道に乗れば国王の評価も上がることでしょう」


「だといいがな。期待しているぞ。それでどんなタレコミがあったんだ?」


これは緊急を要するので教会の掃除は後日ですね。


「実は、クリアランス伯爵のことのようです。陛下や宰相閣下はご存知でしょうか?」


「クリアランス伯爵か。まぁ、それほど親しい訳ではないが、知っている。数年前に当主が代替わりしてな。ドケチで有名だ」


「ドケチですか?」


「ああ、だが、可もなく不可もなく、平凡な貴族と言う認識だったが………」

「悪い噂も聞きませんね。まぁ、良い噂も聞きませんが」


シオンはタレコミの内容を話した。


「そう言う事か。どこをコストカットすべきか履き違えたな」

「この様な事になっていたとは、長年渡りホワイト伯爵夫人に申し訳ない事をしましたね」


「屋敷を辞めた人々が訴えてもドケチの印象が強くて、その【非道】が周りに認識されなかったのでしょう。この案件、さっそく取り掛かります」


「うむ、ホワイト伯爵夫人を救い出してくれ」

「1つだけ国王陛下にお願いしてもよろしいでしょうか?」


シオンの言葉に国王は頷いた。


「クリアランス伯爵を呼び出して下さい。複数から伯爵に対して訴えがあったと。ただし内容までは伝えないで下さい。ここに来てから話します」


「ふむ、証拠を消させないためだな?」


「はい。それで、その訴えが嘘だった場合はお詫び金を払うと伝えるのです。ドケチの伯爵なら飛びつくでしょう。そもそも、自分が何をやらかしたか自覚がないから、『このような非道』を平然とできるのですから」


「よし、その案を採用しよう。それと落とし所は決めておけよ?」


「心得ています」


ニヤリッとシオンは不敵に笑った。

後日、クリアランス伯爵は揚々とやって来た。

自分は何も悪い事をしていないのだから、ただで詫び金が貰えると信じきっていた。


「よく来てくれました」

「はっ、第四王女殿下にお会いできて光栄でございます」


「では、さっそく行きましょうか」


「はっ?」


お城に来てすぐに連れ出されるとは思っても見なかった。数名の護衛を付けて馬車で移動になりました。馬車の中で二人きっりにはできないので、女性騎士も同伴です。


「それで、何処に向かわれているのでしょうか?」

「貴方の屋敷です」


はっ?


グレイ・クリアランス伯爵は本気で意味がわからず首を傾げた。


「先に確認いたします。グレイ伯爵は自分の屋敷で使用人が何人働いているのかご存知ですか?」


「えっ、ああ、屋敷の管理に妻、執事が1人、メイドが3人、料理人の6人だな」

「素晴らしい。自分の屋敷に働いている使用人の人数をしっかり把握されておられるとは」


シオンは笑顔で褒め称えた。心の中ではブリザードが吹いていたが。


「い、いや~自分の屋敷のことです。当然ですよ」


少し照れて言う伯爵言葉に護衛の騎士も驚いた顔をしていたのだが気づかなかった。


貧乏の男爵家ならそれぐらいだろう。

しかし、伯爵家で困窮もしていない伯爵家の屋敷を管理、維持するのに人数が少な過ぎる。


コソッ

「姫様、これは自白と取れるのでは?」

「まぁ、待ちなさい。私に考えがあるから」


グレイ伯爵は不正をしている訳ではない。

仕事も真面目にやっている。

だが、奥さんが優秀過ぎて気付いていないのだ。


その後は馬車の中で適当にあしらい、グレイ伯爵の屋敷へたどり着いた。


門を開けて屋敷に入るとグレイ伯爵は大きな声で叫んだ。


「ホワイト!客人を連れてきた。出迎えてくれ!」


少しして奥からホワイト伯爵夫人が出てきた。

ツギハギのメイド服を着たままで。


「すみません。今、手が離せなくて──お早いお帰りですが、忘れものですか?」


まさかこんな早くに伯爵が戻ってくるとは思ってもいなかったのだろう。普段の格好で出てきた。


「グレイ伯爵、これはどういうことですか?仮にも伯爵夫人がする格好ではありませんよね?」


ゴゴゴゴゴッッッ!!!!!

シオンはうむを言わさない威圧を放った。


「い、いえ、これは………お前っ!なんて格好をしているんだ!第四王女殿下の御前だぞ!」


!?


「ええっ!これはお見苦しい格好で申し訳ありません」


夫人は深く頭を下げた。


「構いません。これで確認も取れました。グレイ伯爵。貴方に訴えがありました。複数から貴方が夫人をこき使い、不当に扱っていると。どうやら訴えは事実のようですね?」


「違います!そんなことはしておりません!おまえっ!どうしてそんな格好をしているんだ!」


「だって、貴方が生活費を渡さないから、嫁いで5年間、しばらくは自分の身の物を売ってまかなっていたけど、そろそろ売れるものも無くなりましたし、掃除などするのにドレスより、メイド服の方が動き易いですから」


ゴゴゴゴゴッッッ、とシオンの圧が大きくなったのを感じた。それから場所を移して話し合いが行われた。


「それで、夫人がどうして掃除を?メイドの仕事ではなくって?」


「屋敷の管理と主人の仕事を手伝っておりますが、メイド2人では掃除が間に合わず、仕事が一段落ついたら私も掃除を手伝っていたんです」


「メイドは三人いたのでは?」

「業務に耐え切れず一ヶ月前に辞めました。給金も少なかったでしたし」


護衛も含めてグレイ伯爵に対する視線が痛くなった。


「少なくともこれだけの屋敷を管理するにはメイドが10人は必要でしょう。それも最低限で、ですか。どうして雇わないのですか?伯爵」


「そ、それは人を雇うとお金が掛かります。今までもこの人数で回っていたのです。妻がしっかり管理できていれば問題なかったのです!」


上手く屋敷を管理できないホワイト夫人が悪いと言いたいらしい。


「伯爵の言い分はわかりました。コストカットは確かに必要なことです。特に業績が振るわず困窮している時にはある程度コストカットしなければならないでしょう。しかし、限度があります!これはホワイト夫人の采配が悪いなどの問題ではありません。すべてグレイ伯爵の【罪】です。グレイ伯爵にはホワイト夫人への虐待の疑いがあり、夫人を虐待した罪で夫人の実家であるセイント子爵の家に多額の賠償金も発生するでしょう」


!?


「私がなんの罪を犯したと言うのですか!?」


「夫人に生活費を渡さず、無給で働かせたことです。そして、終わらない仕事をずっとさせたことでしょう。これは【人権侵害】に当たります。夫人、顔色が悪いです。いつも何時に寝ているのですか?」


「夜、夫が帰ってきてから、夫から明日の仕事の資料を貰ってその資料整理をしてからだいたい0時に眠って、朝は5時に起きて屋敷の管理の仕事の為に起床致します」


「もうけっこうです。伯爵、何か反論は?貴方の領主の仕事は本来、補佐官を雇うか、補佐できる執事にさせる仕事です。妻にやらせるなんて聞いたこともありません」


「いや、しかし、妻は夫を支えるものです。もっと要領よく働ければ──」


「もうけっこうですと言いました!貴方の話は聞くに耐えません。もし今の話を国王陛下の元に持っていき、査問会議が開かれれば、100人のうち全員が貴方を非道な夫だと認定するでしょう。そうなればよくて『降爵』か、最悪、当主交代の上、地方へ飛ばされるでしょうね。奥様の賠償金もかなりのものになるでしょう」


!?


「それは困る!私は悪い事はしていないのに!どうして!」


コイツは自分の事しか考えていないわね。

なら───


「そうねぇ~、今なら私しか知らないし、胸の内に秘めることできるのだけれど………」


「おお、流石は姫殿下!」


「ただ、貴方は自分が悪くないと言ったわね?なら、それを証明して下さいな」


「ど、どういうことでしょうか?」


シオンは持ってきた書類をみながら言った。


「奥様は5年間もこの状況に耐えて来ました。貴方も奥様と同じ事をして下さい。ただ私も暇ではありません。そうね、取りあえず5日、奥様の仕事をして下さい。その間の領主業務は私が代行します。万が一、不利益が出たら倍の損害賠償を払いましょう。もし、貴方が奥様の仕事を5日間できたなら、無罪放免にします」


最初ポカンッとしていたグレイ伯爵だったが、すぐに頷いた。

そのままシオンはホワイト夫人を寝かせて、領主の仕事を引き継いだ。


そして翌朝5時

起きなかったグレイ伯爵を私のメイドがフライパンとおたまでガンガンガンッッッと鳴らして無理矢理目覚めさせた。

初日は奥様も一緒に起きて、今まで何をしているのか、いつもの作業を見てもらいました。


「まず、昨日整理した仕事の確認をします」


優先順位を付けて今日の仕事のスケジュールを組み立てて、その順番に領地を回るようにします。


1時間経って、6時になりました。

時間ピッタリに業者が食材を届けにきました。


「日持ちしない食材を毎朝6時に届けてくれます。それを数に間違いないかチェックをしてから領収書にサインします」


「別にチェックなどせずすぐにサインすればいいだろう。時間のムダだぞ?」


グレイ伯爵が口を挟みました。


「それは旦那様が怒られましたので必ずチェックせよと。前に約束した商品の数が少なかったと言うことで、同じ金額を払って損をしたらお前の生活費から差し引くと言われましたから」


うわぁ~引くわ。

本当に。

グレイ伯爵は何も言えなくなり黙りました。


「それから朝食の用意をします」

「待て!料理人がいるだろう?」


奥様が料理をしようとしてまたグレイ伯爵が口を挟みました。


「それが払っている給金ではやっていけないと辞めると言われまして、昼と夕食のみ作ってもらう約束で留まってもらいました。幸い朝食はサラダ目玉焼きなど簡単で軽い物ですから今まで朝は私が作っておりました」


「な、なぜ私に言わなかった!」

「何回も言いました。逆に辞めてもらった方が給料分浮くから得になると言って聞いてもらえませんでしたし、生活費ももらえませんでした。それがあれば、そこから使用人の給料に上乗せして留まってもらえたのですが」


「いえ、それは違いますよ。それは雇っているグレイ伯爵が払うものです。奥様の生活費は奥様が使うべきもの。間違えないで下さい」


ウグッとまた伯爵は何も言えなくなった。

それから朝食を食べて、シオンは領主の仕事をする為に外へ、その間は騎士達が伯爵を見張って奥様の仕事を見させました。


午前中は屋敷の管理の仕事を。

屋敷の維持管理にもお金が発生する。

毎日の食材の代金に、伯爵が懇意にしている業者の代金の帳簿などなど。必要経費などの帳簿の管理を本来であれば、会計士を雇うか、グレイ伯爵が行う作業を奥様が代わりに行っていたのだ。


その作業で午前中が潰れて、昼食の後は屋敷の掃除である。主に屋敷の中の草むしりである。

中の掃除より、外は1日でも手を抜くと、すぐに草がぼうぼうとなり、屋敷の管理が出来ていないと見られてしまう。


それなりの大きな屋敷の周りの草むしり。昨日もこの作業をやっていたのだ。1番キツイ作業をホワイト夫人がやることでメイド2人が屋敷の中の掃除を行う。それでメイド達も辞めずに働いているのだ。


「ありがとうございます。今日は皆さんが手伝ってくれたので早く終わりました」


ホワイト夫人は嬉しそうに言ってくれたが、グレイ伯爵は顔色が悪かった。慣れない草むしりをしたせいではないだろう。

シオンの護衛騎士達も見ているだけでは良心が痛んだので、一緒に作業を手伝った。


グレイ伯爵は今までどれだけホワイト夫人に無理を強いていたのか気付き始めていた。


夕方になり、食事の用意まで夫人が手伝っていた事に驚いた。グレイ伯爵は帰ってきたら用意されているのが当たり前だと思っていたのだから。


そして、今日の仕事の内容を聞いて、書類を整理してから明日に備えるのだ。

このローテーションを繰り返していた。

急な来訪や、スケジュールが変わるときが1番困ったと言っていた。

夜会の時は新しいドレスを買ってくれるが、一度しか着ないものならと『既製品』のドレスしか買ってくれなかったという。夫人はそのドレスをコサージュなど縫い付けてアレンジして夜会に出ていたという。


この話を聞いたシオンは絶対零度の威圧でグレイ伯爵を凍らせた。


次の日からは朝は起こすが、他は手伝わせなかった。料理だけは特別にメイドにお願いして、後はグレイ伯爵にやらせた。


伯爵も5日間耐えないと罪に問われると言われて頑張ったが事実、3日間で音を上げた。


いや、肉体的もだが、毎日ここまで不眠不休で働かせていた妻に対しての罪悪感に音を上げたのだ。

グレイ伯爵は別に贅沢をしている訳でもない。

ただ稼いで増えたお金を数えるの好きなだけで、不正もしていない。


出来るだけコストを削って最大限の利益を上げる。

それが当然で、経営者として当たり前だと思っていた。

それが間違いだとは思わない。

生活費だって、必要なものを言えばその都度渡したさ。ただ自由になんでも使えるお金を渡さなかっただけで。


だが、それにより負担を掛けてしまう人物いた。

その負担が大き過ぎた。

この日々を5年間も耐えていた。

その事実が削り過ぎたと深く反省し頭を下げたのだった。



5日間耐えなかったので、グレイ伯爵は罰金と罪を償うことになった。

しかし1番堪えたのは『離縁』されたことだろう。

シオンはホワイト夫人に尋ねた。


『これからどうしたいか?』


これに懲りて、妻に優しくして、必要な所にはお金を掛けるのなら、今の状況は改善しそれなりに仲の良い夫婦に戻れるかも知れない。

だからシオンはホワイト夫人に決めてもらったのだ。

ホワイト夫人も助けを求めることはできた。しかし、半ば洗脳のように、『やらないといけない』『別の人に迷惑がかかる』など、ブラック企業に働いている社員のように、訴える声を上げることができなかったのだ。


ホワイト夫人は静かに、もう朝早く起きなくてもいいんですか?と静かに涙を流した。

この一言が全てを物語っていた。

ここ数日無理矢理眠らせて休養を取らせたことで、長年溜め込んでいたものが湧き出したのだろう。

しばらく泣き止むことなく泣き続けた。


シオンは前もって実家のセイント子爵に連絡しており、奥様の現状を話したところ、そんなことになっているとは気づかずにいた自分達も責めた。すぐに娘を離縁させて実家で引き取るとまで言ってくれたので、迎えに来てもらった。


「ホワイト・・・5年もの間、気付かずに申し訳なかった。シオン姫殿下から詳しい話を聞いたよ。こんな奴に嫁がせたばかりに苦労をかけたな。一緒に帰ろう」

「もう頑張らなくていいのよ。ゆっくり休みましょう」


両親に優しく抱きしめられたホワイト夫人はグレイ伯爵を見ることなく子爵の馬車に乗った。


セイント子爵は項垂れている伯爵を睨みつけて、後日詳しい話をするからなと言って馬車で帰って言った。


「・・・これがあなたのした結末です。私はコストカットが悪いとは言いません。しかし、限度と言うものがあります。世間ではモラルのない精神的に家族を追い詰める夫のことをモラルハラスメント、通称モラハラと言います。よくもまぁ、こんな状況を5年間も続けられたものです。よほどホワイト夫人は優秀だったのでしょうね。普通なら、心を病むか、自死を選んでいてもおかしくありませんでした。あなたの罪が軽いのはホワイト夫人の優しさだと思いなさい」


・・・・グレイ伯爵は何も言えず膝をついて後悔のうめき声を出すのだった。


こうして、新しく発足された厚生労働省の一部門の仕事は幕を閉じたのだった。

それから一週間ほど経ったある日、シオンはホワイト夫人を尋ねていた。


「もうお身体は大丈夫でしょうか?」

「はい、まだ寝付けなくて睡眠薬を少し飲んでおりますが、おおむね回復致しました」


よかったと、他愛のない雑談をしてから本題に入った。


「もしなんですが、これから養生して容態が完全に回復したら、うちの部署で働きませんか?」

「えっ、私がですか?」

「ええ、私の発足した厚生労働省の部署はまだまだ人手不足なんです。そして、あなたのような境遇の人々を救う所です。被害者であった貴女なら同じ被害者に共感して寄り添えると思ったの」


!?


「私のような人々を救う・・・」

「今すぐ結論を出さなくてもいいわ。両親とよく相談してから決めなさい」


そういうとシオンはセイント子爵邸を後にした。


「姫殿下、よろしかったのですか?返事を聞かずに出てきて?」


護衛の騎士が尋ねた。


「いいのよ。悪いけど、ああ言っておけば、後日必ず来てくれるわ」


自分を救ってくれた恩人の頼みを断る罪悪感と、同じ境遇の人々を助ける使命感。


こういうのも駆け引きである。


それにしても権力があるって素晴らしいわね。

前世の日本じゃ、制裁を加えることはできなかったもの。

被害者が泣き寝入りするのは許せないからね。

この異世界なら、もっと過激な政策が取れるわ。

まだまだ法整備の整っていない内に、国の膿を取り除いてやるわ!



後に、教会上層部と戦い、教会を厚生労働省の管轄にするなど、シオンは画期的な改革をして名を轟かせていくのだが、それはもう少し後のお話しである。







現在の連載が煮詰まったので息抜きに書き始めた小説です。気が向いたら異世界労働事件簿2とか書くかも知れません。


しかし書いていて異世界ってブラックな所ばかりだなと思うこの頃でした(笑)

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【連載版】爆炎の大魔導士は世界を救う。(でも本当の属性は不遇属性の風属性なんです)ドヤ顔( ・`ω・´)

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【連載版】幼女の建国記!!幼女は強大な魔力で国を豊かにしていく


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他にも多くの小説を投稿しているので読んで頂けると嬉しいです。

コミカライズ化された小説もあるので宜しくお願い致します。


連載の小説には作者が作ったイラストを多く載せてます。

楽しんで頂けたらと思います!



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https://ncode.syosetu.com/n0432ej/



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