表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

誰かいる

僕たちは一斉に時計を見た。

だがしかし風斗の腕時計と同じく異常な速度で回転しているだけだった。

「どうなってんだよー」

風斗が不満を漏らす。

こっちの世界に来てみたものの現実世界に帰れるような手がかりがまだ一つもないのだ。

「もしかして僕たちこのまま帰れないのかな。」

すこし不安になってきて言ってしまった。

「大丈夫だろ。ぺっぽもいるしな。」

風斗が大丈夫だという時は疑わしいが実際に大丈夫なことが多い。

その言葉を聞いて安心した。


「じゃあこれから僕たちどうする?」

公園のベンチで座りながら二人でこれからの作戦を話し合う。

「正直この世界で歩き回るのは少し危ないと思うんだ。」

それには僕も同意だ。

人間もいない。動物もいない。

こんな不気味な世界で歩き回るのは流石に怖い。

「これから一旦綾人の家に帰ろう。綾人の家だけは電気がついてたし何かわかるかもしれない。」

「なるほどな。」

これには僕も一つ思うところがあった。

なぜ僕の家だけ電気がついていたのか。

僕たち以外にも誰かいるのか。

それを調べたい。

「決まりだな。じゃあ早速戻るぞ。」


こうして僕たちは来た道をもう一回戻ることにした。

「そういやそろそろ腹が減ってきたな。」

「確かに。」

僕たちは山へ出かける前に一緒に食べたチョコレート以来何も食べていないのである。

「お腹が空くということはしっかり時間は経っているということか。」

風斗が少し考え込んでいる。

「あんまり詳しいことは言えないが、お腹が空くということは今を生きているということだ!」

自信満々の顔でこちらを見つめてくる。

「確かにそうだと思う。もし世界に存在していなかったらお腹が空くということはないはずだから。」

一概には言えないが風斗の言っていることはある程度的を得ているだろう。

「綾人。何か食べ物あるか?」

こんなこともあろうかと一応非常食を持ってきているのである。

風斗に言われた持ち物が本当に役に立つことになるとは。

僕は歩きながらリュックからカップラーメンを二つ取り出す。

「それお湯がないと食えねえじゃねえか」

「いや、山でカップラーメン食べたら美味しいかなって思って。」

確かにお湯がないと食べれない。

そこを計算してなかった。

まさかこんなミスを僕がするとは。

「綾人って意外とポンコツだな。」

風斗にそんなことを言われるなんて。

「流石に風斗よりはマシだ。」

僕も咄嗟に言い返した。

「俺はポンコツなんかじゃねえ。ただ単に抜けてるところがあるんだよ。」

それをポンコツって言うのではないのだろうか。


そんなことを二人で話しているうちに僕の家に帰ってきた。

「ただいまー」

いつもの癖で言ってしまう。

「ただいまー」

風斗も何故か言っている。

靴を脱いで上がろうとしているととあることに気がついた。

子供の靴がないのである。

「子供の靴が...ない。」

僕が呟くと風斗は体を捻らせ玄関の方を見る。

「確かにない。さっきまで絶対にあったはずなのに。」

風斗が一つの仮説を立てた。

「まさか子供がこの家に出入りしているのか?」

現実的に考えれば子供一人だけが出入りしているのなんておかしいが、よくわからない世界だ。

ありえなくもない。

「そうかも...しれないな。」

僕も渋々納得した。

「とりあえずご飯食べようぜ。腹が減っては戦はできぬ。だろ?」

呑気なやつだなー。

そう思いながらも僕もお腹が空いたので靴を脱いで上がる。


風斗はお湯を沸かしに行ってくれた。

僕は体力が少ないので、椅子に腰をかけ休むことにした。

やはり電気はついたまま。

仮に子供がこの世界にいるとして、いったいこの家で何をしているんだ?

風斗が言っていたあの噂、本当なのだろうか。

入ってはいけない場所に入ってしまうと不運に見舞われ数年後に行方不明になる。

この噂が本当だとすると僕たちは、やはり何かしらあるのだろうか。

そんなことを考えていると風斗が手を振ってあちらに呼んでいる。

「おーい。お湯ができたぞー!」

僕も座っていた椅子から立ち上がり、風斗の方へ向かう。

カップラーメンにお湯を注いで、テーブルの上にカップラーメンを置く。

「3分だな」

風斗がカップラーメンが出来上がるまでの時間を言ってくれる。

「綾人はさカップラーメン出来上がるまでの時間何してる?」

「僕は基本的に無の状態を過ごしてるかな。何も考えず、何もしない。そうすると落ち着くんだ。」

「なんか綾人って仙人みたいだな。」

これには流石の風斗もツッコミを入れる。

「俺はぺっぽと遊んでるぜ。まあカップラーメンを待っている時限定ってわけでもないけどな。」

本当に風斗はぺっぽが好きだな。

「そういやぺっぽの食事はどうしてるんだ?」

「俺が持ってきていたドックフードを食ってるぜ。」

風斗が指差す方を見るとむしゃむしゃ食べている。

まるで血に飢えたゾンビのように。

いい食べっぷりをするぺっぽをみていると風斗が言った。

「もう3分だ!」

「どうやって測ってんだよ」

少し疑問に思い聞いてみる。

「体内時計だよ。体内時計。」

それ信用なるのか?と疑問に思いつつもカップラーメンの蓋を開ける。

箸を持ち、食べようとした瞬間だった。


ピンポーン。

家のチャイムが鳴った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ