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何か違う

扉を開けリビングの方をみてみる。

だがそこには誰もいない。

「おい、これはどうなってんだよ。」

そこに僕の家族の姿はなかった。

だが何かがおかしい。

家族の姿はないのにも関わらず、電気はついたまま。

食器はしっかり洗ってあるし、調味料なども揃っている。

しかし人はいない。

「ここはどこなんだ?」

風斗が僕に疑問を投げかけてくる。


僕は考えた。

この世界はどういう世界なのか。

僕の頭の中で思いついた答えは一つ

「パラレルワールド...だと思う。」

風斗が眉をひそめる。

「つまりここは綾人の家だけど、綾人の家じゃないってことか?」

「多分そうだと思う。普段いる現実の世界とは少しズレた世界、それがパラレルワールドだから」

いつもいる世界とは違う世界だから家族の姿もないのだ。

「とりあえず外の世界を見てみよう。何かわかるかもしれない。」

「そうだな。」


僕たちは玄関へと向かった。

玄関に並んでいる靴を見て思った。

一つ、二つ、三つ、四つと靴の数を数えてみる。

普段の僕の家なら家族の靴を含めて7個ぐらいしか置いてないはずなんだ。

母親が2つの靴を持っていて父親は3つの靴をいつも並べている。

そして僕は2つの靴をいつも玄関に置いてあるはずだ。

だが何かがおかしい。

何度数えても数が一致しない。

どうみても8個靴があるのだ。

毎日足を運ぶ場所だから家族の靴はなんとなく把握しているつもりだ。

だが一つだけ本当に見覚えのない靴が一個混じっているのだ。

「誰かいるかもしれない...この家に。」

「どう言うことだ?」

風斗が聞き返してくる。

「いつもより靴の数が一個だけ多いんだよ。いつもは7個なのに今日は8個ある。」

「確かに靴の数が一個増えてるのは妙だけどよ、家族が新しい靴を買ったっていう説もあるんじゃねぇの?」

確かに風斗の言う通りだ。

家族が新しい靴を買っていた場合、靴の数はもちろん一つ増えるので計算は合うはずだ。

だがしかし絶対に否定できる根拠が一つある。


僕はその増えている一つの靴を指差す。

それを見た瞬間風斗の顔色が変わる。

「これ...子供用の靴じゃないか?」

僕もそれを聞いた瞬間改めてゾワっとした。

そう一つ増えている靴はなんと子供の靴だったのだ。

サイズは履いても絶対に履けないほどのサイズ。

全体的に青色でマジックテープがついている王道の子供の靴といった感じだろうか。

だが使用感はまるで新品。

傷や汚れが一切ないのだ。

「なんでこんな靴があるんだよ。」

風斗が聞いてくる。

「わからない。でも一つだけ言えるのは僕の家族が履くような靴ではないってことだ

けかな。」


色々考えてみたがやっぱり何もわからない。

もしかしたら僕が昔履いていたような靴かなとも思ったがこんな靴に履き覚えはない。

「まああんま気にせず行こうぜ。こっちにきてから違和感はいっぱいあったんだ。いちいち気にしてるようじゃ帰れないぜ。」

「それもそうだな」

僕は風斗の言葉に安心した。

確かに違和感は多いが、まるで夢のような場所なんだから仕方ないはずだ。

「とりあえず外に行ってみようぜ。」

風斗に声をかけられて前へ足を運ぶ。

「そういや風斗はどの靴を履いていくの?」

僕たちは靴を履いていなかった。

靴を履いていなかった。

いや違う。

靴はしっかり履いていたはずだ。

「なんで俺の靴がないんだよ。」

こっちにきてから色々あったせいで気づいていなかったが、いつのまにか靴が消えて靴下の状態になっていた。


「とりあえずそこにある靴どれか使って。どれでもいいよ。」

「じゃあこれ!」

そう言いながら風斗が手に取ったのは父親の革靴であった。

「普段こういうの履かないから憧れたんだよなー。」

意外だった。

風斗は服や靴には一切興味ないと思っていたので革靴を選択した風斗に驚いた。

「俺さ、親父が経営者でさ、革靴履いて毎日出勤してたんだ。そんで親父はすごくてさ、会社を立ち上げてから最初は全然上手くいかなかったんだけど、地道にコツコツ毎日積み上げていってさ、小さかった会社がとんでもなくデカくなってさその時に親父に憧れたんだよな。」

風斗の父親が経営者だったっていうのは知っていたがまさかそんなにすごい人だったとは。

風斗の天才肌もやっぱ父親あってこそのものなのかもしれないな。

僕はいつも履いている自分の靴を履いた。

特に違和感はない。

いつも履いている感じと同じだ。


二人が靴を履き終わり、外に出る準備が整った。

「風斗。キマってるね。」

革靴を履いているのは見慣れないが、やっぱりカッコよかった。

「やっぱり?やっぱ似合うかな。」

久しぶりに風斗が少し照れている。

「よし。じゃあいくぞ!」

風斗が手を挙げて扉に手をかける。

二人はもう一つの世界の外を見にいくのであった。


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