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真心

風斗はランドセルで色々試した。


綾人に投げつけてみたり、地面に置いて効果を試したりしてみたが何もなかった。


綾人は変わらず一人ぶつぶつと呟いているだけ。


「これ開くのか?」


見た目だけのランドセルではなくちゃんと開くところまで作られている。




そして風斗がランドセルを開けた瞬間...


「うわ!」


綾人の地面に落ちていた紙はまるで掃除機に吸い取られるようにして、ランドセルの中に入っていった。


風斗の持っているランドセルにはすごい振動が伝わってきた。




そこから綾人には魂が戻ったように治った。


「だ、大丈夫か?」


風斗が綾人の肩を揺さぶりながら確認する。


「うん。大丈夫。」


必死の表情で確認してくるので綾人も少し驚いた。




「お前ほとんど意識なかったんだぞ。」


「そうなのか。」


「どこまで覚えてるんだ?」


「えーと確か、紙がいっぱいあったとき?」




綾人はボールからたくさんの紙が溢れ出した時までは覚えているようだ。


「なにが書いてあったのか覚えてるか?」


「んー」


綾人が考え込む様子を見せるが沈黙が続く。


記憶のどこを辿っても紙に何が書いてあったかは思い出せない。


足元を大量の紙が覆い尽くしているところまでは覚えている。


「覚えてない。」


「そうか。なんか綾人おかしかったぞ。一人でずっと「ほしい」「ほしい」って永遠に呟いてた。」


「ほんとか?」


綾人が少し風斗を疑ったような目で見つめる。




「ほんとだ。俺はすごく後悔した。綾人がおかしくなってからどうしようどうしようって思ってさすごく怖かったんだ。」




自分の判断が間違っていたことを心のそこから反省し、真剣な目で綾人と目を合わせた。


「ごめん」


風斗は、勢いよく頭を下げ、謝罪をした。


「多分綾人は俺を守るために、あれを頑張って引きつけてくれたんだよな。俺はそれを止めることができなくてあんなことになってしまったんだ。」


「いいよ。顔を上げてくれ。僕がどんな目にあったとしてもそれは風斗のためだからさ。もし本当に危ない時は僕をおいて逃げてくれてもいいんだ。」




風斗はゆっくりと頭を上げた。


風斗の顔は今すぐにも泣きそうだったが、どこか笑っているようでもあった。




「あと僕は、本当に害がないと思ってたからさ、これに関しては僕の責任だよ。」


「そうか。良かったぜ。」




こうして二人は、無事に危機を脱して、再び山へと向かうのであった。



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