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豹変

「綾人。お菓子いっぱいとってきたけど、これ食べれるのか?」

風斗がお菓子を手に取りながら聞いてくる。

「僕は食べてもいいと思う。この世界と現実世界はほぼ同じだから。」

「綾人がそういうならいいか。」

そうして僕たちは好きなお菓子を互いに取り、口へ運んだ。

「ん〜うまい」


風斗の声がいつもより高い。

僕も久しぶりのお菓子には感動した。

「こんなにおいしかったのか。」

あっという間に一袋食べてしまった。

「あーうまかった。」

とても満足げな様子だ。

「そういやぺっぽのご飯はどうする?」

ぺっぽはさっきの家で食べたっきりだ。

風斗がかごの中を探している。


「ジャジャーン!超高級ドックフード!」

風斗はドックフードの袋を開け、入り口に置いてあるかごの中に入れた。

だがぺっぽは反応を示さない。

少し匂いを嗅いだかと思いきや一歩後ろに下がった。

「何でだよ。食わないのか?」

ぺっぽは返事すらしない。

「お腹空いてないんじゃないのか?それか普段と違う食べ物で怖いとか。」

「いや前々からたまにこの超高級ドックフードを食べさせた時があったんだ。その時はすごい勢いでかぶりついてて。」

「まあさっきのご飯の時からどれぐらい経ったかわからないからな。そこまでお腹空いてないってことだろ。」

「まあそっか。」

風斗はすんなりと納得した。


僕たちはお菓子を食べ終わったのでリュックにお菓子やジュースを詰めれるだけ詰め込んだ。

そして再び山に向かって歩き出した。

山に着くまではあと少し歩くだけだ。

時間にして数分程度。

「なあ綾人。確かに俺たち山目指してるけどよ、どうやって現実世界に帰るんだ?あの時は誘われたようにこっちにきたが、こっちの世界だとあるかわかんねえ」

あの時は記憶もなくただ彷徨っていたらいつのまにかこちらに辿り着いていたわけだからな。

「でも、現実であったんだ。こっちの世界でも起こる可能性は十分にある。」

「確かにな。」

「大丈夫か!?」

風斗が珍しくバランスを崩して、転けそうになっていた。

「あっぶねー何とか耐えたわ。」

「一回休んだ方がいいんじゃないか?もう色々疲れたし。」

「そうだな。」


そうして僕たちは地面に腰を下ろすことにした。

「あー疲れた。」

風斗が地面に寝転がる。

「おい地面だぞ。」

「そんなの気にしない」

風斗はやっぱこういうところがある。

地面の汚れも気にしないとことか、髪が寝癖だらけでも気にしないとことか。

「あー俺たち帰れるかな。」

風斗が地面に大の字の形になりながら言った。

夜空を見ているのにつられて僕も顔を上げる。

「まあ大丈夫だ。死ぬ時も一緒。だろ?」

「俺は死なねえよ。」

風斗が腕を伸ばして僕の背中を叩いてくる。


「それにしても星が綺麗だ。」

感動して声が漏れる。

そのとき突然ぺっぽが声をあげた。

「ワン!ワン!」

「おい!あれ見ろよUFOだ。」

慌てた声で、背中を起こし、指さしている。

そんなわけないだろ、と思いつつも風斗の指さしている方向を見るとそこには

なんとUFOらしきものが本当にあった。

ゆらゆらとゆれ、今にも降りてきそうな高度だ。

100mもあれば届くぐらいだ。

そのゆらゆらと動く方向に規則性はなく、あっちこっちを飛んでいる。

そのUFOらしきものは確実にこっちに向かってきていた。

「逃げろ!」

風斗が声を荒げる。

僕は急いで立ち上がりぺっぽも抱いて逃げ出した。

「とりあえず山の中へ入るんだ。」

僕たちが休んでいた場所は山のすぐそこだったのでとりあえず茂みの中に身を隠した。


一旦は大丈夫だろうか。

「おい。あれはどういうことだよ。まるでUFOみたいじゃねえか。」

僕たちが見たものは確かにUFOに似ていた。

円盤型でふらふらと飛んでいる。

だが少し違った。

一般的に見るUFOの形をしていたが、よく見ると子供の落書きのようなものが印刷されているようだった。


「確かにUFOみたいだった。それより大事なのはあの機体が僕たちに敵意を持っているかどうかだ」

そもそも機体を操縦している人がいるのか。

それとも機体単体が動いているのか。

「動き的には、俺たちのことを狙っているようにも見えたよな。」

風斗のいう通り機体は明らかに僕たちの方を目掛けて進んでいた。

「もしかしたら敵意はないのかもしれない。」

少しそんな予感が頭をよぎった。

「何言ってんだよ綾人。絶対に危険だろあんなもん」


「確かにそうだけど、そんなの実際に立ち会ってみないとわからないだろ。」

「あ?綾人はあれと話し合いができるっていうのか?」

「話し合いができるとは言っていないがもしかしたら恩恵があるかもしれない。」

僕は直感的にそう思った。

何かプラスがあるかもしれないと。

「ちょっと綾人おかしいぜ。俺はその考えには乗れない。」

「いいさ。僕は行く。」

「行くって...まさかお前ここからあれにアピールでもするのか?見つけてくださーいって。」

「そういうことだ。」

「流石におかしいぞ綾人。俺はあいつと会うことがマイナスにしかならないことぐらいわかる。俺の直感がそう言ってる。」

風斗が必死に止めようとするが、今の綾人はもう止まらない。

「そもそも僕たちの目的は無事に帰ることだ。山を登ったところで、あの場所へ行く道も覚えていないのに、どうやっていくって言うのさ。」

「でも危険だろ?あれは明らかにやばい気がするぜ」

「ここでずっといたとしても何も変わらない。みんな死ぬだけだ。だから僕がいく」

「おい!」

風斗は手を伸ばして綾人の腕を掴もうとしたが、走り出した綾人の腕には一歩届かなかった。


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