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第五話「やはりロボットは目立つ?」

 突如として召喚することができたロウガというロボット。

 召喚術は、魔力を糧に、主に異界から生物、物質などを召喚する。ただ、魔力を糧にすれば必ず召喚できるわけじゃない。

 召喚される側にも意思がある。物質ならばほぼ確実に召喚することができるが。まあ、そもそも召喚術自体、かなり高等な術。

 だから、僕もティナを召喚できた時は素直に喜んだ。チャールも喜んでくれた。それから、僕は召喚士として役立とうって剣を置いた。


 いや、正確には使う機会が少なくなった、かな。

 いくら召喚士になったとはいえ、もしもの時がある。自己防衛のために、一応剣は常時装備している。


「凄かったわね! ロウガ!!」

「うん。想像以上だったね」


 あれから、帰り道で二体のコボルトと遭遇したが、それもロウガは難なく倒した。

 最初こそ警戒していたティナだったが、今となってはロウガの頭に乗るほど警戒心が薄れた。ロウガもロウガで、さほど嫌がっている節はない。

 

 どうやらロウガは基本的には僕の指示で動く。

 曖昧な指示でも、ロウガ自身が周囲の状況から最善を導き行動する。そして、指示をしなくてもある程度は自分の判断で動くようだ。

 コボルトとの初戦の時も、僕が指示する前に動いていた。

 ロウガには、意思がある。けど、喋ることはできない。そこのところは、僕もティナも惜しいと思っている。


「ねえ、アース」

「ん?」


 そろそろ街に辿り着こうとしたところで、ティナが声を上げる。


「私としては、このままロウガの頭の上に居ても良いんだけど……やっぱ、目立つんじゃない?」


 何も知らない者から見れば、少し変わった鎧を纏った人だと思うだろう。なので、このまま連れて行っても良いと思っていた。

 しかし、これから僕達は冒険者ギルドに依頼達成の報告へ行く。

 その時、当然のように聞かれるはずだ。


「その方は?」


 と。ティナは僕が召喚した妖精ということになっている。召喚士によって召喚されたものは、武器や防具と言ったものに分類される。

 

「まあ、確かに。でも、ティナと同じで僕が召喚したって言えば解決するよ」


 とはいえ、僕が知る限り、ロウガのような存在が召喚されたことは一度もない。これでも、召喚士になると決めてから様々な書物を読み漁った。

 それも勇者特権というものを使って、一般人には公開されないものも。

 これまでの歴史上、ロボットという存在は確認されていない。


「素直にロボットだって言うの?」

「うーん。まあ」


 嘘をつくわけにもいかない。

 確実に目立つだろうけど。

 

「もし問題があるようだったら、ロウガには悪いけど送還をするしかない」


 送還術。召喚術と逆で、召喚したものを送り還す術だ。召喚したものによっては、その場に居続けるだけで害となったり、恐怖を与えたりする時がある。

 そのための対応術だ。

 そうでないと、召喚士の周りには召喚したもので溢れかえってしまう。


「まあ、ロウガは大人しい子だし。大丈夫だと思うけどね」

「子って……」


 成人男性ぐらいの身長であるロウガを完全に子供扱いである。

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