表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/67

第四十三話「魔界ゴーレム戦(2)」

「おー! ゴーレム達がどんどん穴だらけになっていく!!」


 さすがハヤテの武装。

 凄まじい威力だ。

 だけど、反動が凄い。ちゃんと構えてないと照準が乱れてしまう。まあ、あれだけ並んでいれば多少乱れても当たってはくれるだろうけど。


「さすがアースさん! 私も! 〈シャイニング・スピア〉!!!」


 杖を構え、呪文を唱えるとシャルの頭上に光の槍が十本生成される。

 しかもただの槍じゃない。

 貫通力を高めているのか。矛先が螺旋状になっている。ここまで自在に魔法を操れるなんて……。


「貫け!!」


 一斉に放たれた光の槍は、確実に一体一体貫いていく。


「さすがシャルだ」

「ふひっ」

「聖女として、その笑い方はどうなのよ?」


 褒められて嬉しかったのか。シャルは、どこか不思議な笑い声をあげた。

 できるだけ狙いを定め、魔力を抑えながらエネルギー弾を小型ゴーレム達に放ちながら、僕は他の通路へと視線を向ける。

 まずは、ハヤテが向かった左側の通路。

 

 僕が使っているエネルギー砲よりも小型で、それを二つ生成し、空中から一方的に攻撃をしていた。

 そして、問題の正面。

 中型ゴーレムはロメリアさんが。ロウガは中型を相手しつつも、小型を確実に倒していた。


(今のところは特に問題はない。ゴーレム達の動きもいたって単調)


 こちらが優勢だというのは明白。

 けど、このまま何もなく終わるとは思えない。


「よし。先行部隊はこれで片付いた」


 僕達に近づくことすらできずに右側の小型ゴーレム達は全て倒された。後続もまだ距離がある。ここは、ロメリアさん達の援護を。


「待って、アース! ゴーレム達が!」


 ティナの声に、僕は右側の通路へ視線を向ける。

 

「さすがゴーレムと言ったところでしょうか」


 ゴーレムの特徴。

 それは、心臓となる魔力核を完全破壊しない限り、何度でも復活する。今回は更に厄介なことに、体のパーツとなるものは大量にある。

 今まさに、魔力核が無事だった小型ゴーレム達が、体を再構築していた。


(数と火力を考えてエネルギー砲を選んだけど……その分命中率に問題があった、か)


 だけど、数は半分以上も減っている。

 これなら。


「接近戦は久しぶりだな」


 僕は、エネルギー砲を消し、違う武装を召喚する。


「〈武装召喚〉」

 

 手に収まったのは、先ほどのエネルギー砲とは違い、とてもシンプルな形をしていた。

 僕の手よりも少し大きいぐらいの鋼鉄の板だ。

 

「アースさん。それは」

「ロウガの武装の本質は、エネルギーの刃」


 そして、僕が召喚したこれは。


「イメージすれば、どんな形の刃にも変化する」


 魔力を注ぐと、エネルギーへと変換され、両刃が生成される。

 

「シャルは、魔力核を確実に破壊するために、魔力感知を使って確実に魔法で貫くんだ」

「わかりました」

「アース。気を付けて」


 久しぶりの接近戦。ティナも、僕のことを心配してくれている。正直、召喚士としては前に出るべきじゃないんだろうけど。

 今は、そんな常識は考えない。

 

「ふう……」


 一呼吸し、僕は走り出す。

 ティナの強化魔法がまだ効いているため、足取りは軽い。


「まず一体」


 僕の接近に気づき、小型ゴーレムは再構築されたばかりの右腕を振り下ろしてくる。

 

「遅いっ!」


 だが、それを僕は回避し、魔力感知により魔力核の位置を把握。

 そこへ目掛けてエネルギーの刃を振り下ろす。

 真っ二つに両断された魔力核は、魔素となって四散し、二度と体を構築していた岩は動かなくなった。

 

「次だ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ