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167  作者: Nora_
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09

「入ってこなくていいの?」

「うん、だって日焼けしちゃうから」


 海に行きたいと誘ってきたのは彼女の方なのにこんな感じだった。

 今日は郁美先輩がお母さんとお出かけしてしまっているから楽しめない……とかそういうのかな?


「誘ってくれていたのに断ったのは璃香ちゃんでしょ?」

「邪魔できないよ、久しぶりにお出かけできるということで郁美先輩だって分かりやすく嬉しそうな顔をしていたんだから」


 見ていたから分かっているけど、それで投げやりになって誘われてもあんまり嬉しくないというのが正直なところだった。


「確かに郁美先輩といられる時間は好きだけど、璃香ちゃんといられる時間だって好きなんだよ? 本命の人といられなくなったからって適当に誘われるのはちょっと悲しいかな」

「……適当じゃないよ、たまにはこうしてふたりでゆっくりするのもいいかなって考えただけ」

「そっか、それならよかった」


 そういえばそうだった、ふたりだけで過ごすことがなくなっていた。

 お勉強だって今回は郁美先輩とやったから授業中ぐらいしかいられていない。

 当然、授業中に会話をするわけにはいかないからそれだってないようなものだ。


「……真陽ちゃんってさ、郁美先輩のことどう思っているの?」

「んー、友達以上になりたい人、かな、だって本当にちゃんと優先してくれる人だから。あの優しい顔が好きなんだ」

「ち、近づくの禁止ー!」

「まあまあ、受け入れられたんだから意地悪しないでよ」


 手を握ったりしたのだって煽りたくてしたわけではなく、ただ単純に私がしたかったからだった。

 他の行動も全てそうだ、そして、その度に慌てた彼女が止めてくるという繰り返しになっている。


「璃香ちゃんを怒らせたくてしているわけじゃないんだよ?」

「それなら余計に質が悪いよ、真陽ちゃんはいまでも強力なライバルだよ」

「安心して、変なことはしないから」


 というか、そんなことをしたら郁美先輩に嫌われるからしないよ。

 私はお姉ちゃんとしてあの人を見ているだけなのだから心配はいらない。


「はぁ、郁美先輩の水着姿見たかったなあ」

「それは分かる、なんでお義母さんも今日なんだろう……」

「専業主婦って言っていたよね?」

「うん、だけど移動にお金がかかるからね」

「そっか、時間はあるけどそれがあるか」


 それぞれにしたいこととかがあるのだから言っても仕方がないことか。

 せっかく海が見えるところに来ているのだからと遊んでいくことにした。

 そうしたら璃香ちゃんも来てくれて嬉しかった。

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