体躯を錨と共に沈めて
全身の気怠さはベッドへ放り投げ
戻ったはずの日常に愚痴を吐く
床に沈む重りは錨となっていて
出航は暫く無理そうである
詳細不明の沈没船の調査は難航している
宝やら幽霊やら死体やらを探しても
穴や傷ばかりが見つかっていた
目的の物なんて存在するかも不明で
幻想を追いかけているだけかもしれない
違う沈没船を見つければまた
お祭り宝探し肝試しお墓参り
錨が深い深い海へと沈んで行く時
船はまだ揺れ動いている
波が船を沈めようとしている
体躯はまた冷やされる