表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うちの生徒会長は、才色兼備で高嶺の花でみんなの憧れの的なのは分かる、分かるけど……  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/24

第24話「副会長」

 俺は今、一人駅前に来ている。

 何故かと言えば、そんなもの簡単だ。


 今日はこれから、うちのあーちゃんと副会長の時田がここで会う事になっているからに他ならない。

 念のため、柄にも無くサングラスをかけ、駄目押しのニット帽で変装をしてきているため、多分あーちゃんに見つかる事は……いや、見つかるだろうなぁ。


 だから、俺は見つからないように慎重に行動する。

 絶対にあーちゃんから隠れつつ、二人の行動を尾行するというハードモードミッションにこれから挑まなければならないのであった。


 そして、午前十時。約束の時間だ。

 朝の弱いあーちゃんは、本当に午前十時ピッタリに駅前へとやってくると、先に待っていた時田と合流する。


 お互いに手を振り合いながら合流する様は、さながら彼氏彼女のようで……。


 ――えっ? なにこれNTR?


 なんて思ってしまう程度には、あの美男美女がお似合いに見えて来てしまう自分が悔しかった。


 ――でもあーちゃんは、生徒会のためここへ来ているだけなのだから。


 そう思い直して、俺は早速移動する二人の尾行を開始する。

 一体どこへ向かうのかと思っていたのだが、そこは駅のすぐ近くにある喫茶店だった。


 だったらここで待ち合せればいいのにと思わなくもないが、まぁいいだろう。

 二人と間を空けて、俺はそっと同じ喫茶店へ入店する。

 幸い店内はテーブル席がメインとなっており、それぞれ区切られているため他の席は視界に入り辛い構造になっていた。

 だから俺は、店員さんに無理を言って、あーちゃん達二人の席と背中合わせの席に座らせて貰った。

 ここまで来ると、いよいよ探偵でもしている気分になってくる。

 そしてこの席は、俺の目論見通り視界こそ塞がれているが、聞こうと思えば後ろの声が拾えることに、俺は思わずガッツポーズしてしまう。



「あの、お客様? それで注文は?」

「あっ! す、すいません! ホットコーヒーを一つ!」


 ……危ない危ない。

 店員さんが待っている事をつい忘れてしまっていた。

 不信そうにしながらも、無事注文を受け付けて貰えた事にとりあえずほっとする。



「え? かずくんっ!?」


 しかし、早速ピンチが訪れる。

 なんとあーちゃんの方が、俺の声に反応してしまったのである。


 向こうの声が聞こえるならば、当然こちらの声も聞こえるのだ。

 そして、あーちゃんの耳はデ〇ルイヤー。

 俺の声が聞こえたとあらば、あーちゃんがそれを聞き逃すはずもなかった。


 だから俺は、慌てて向こうから見えないように身を隠す。



「会長? どうかしました?」

「ん? いや、あはは。すまない、多分聞き違いだ」


 ……ふぅ、危なかった。

 これ、副会長がいなかったら確実にこっちの席まで確認しにきてるパターンのやつだなと、ほっと胸を撫で下ろす。

 一人だからもう喋る事は無いだろうが、油断禁物だな……。



「お待たせいたしました。ブレンドコーヒーになります」

「あ、どうも」

「やっぱりかずくんっ!?」


 オォウ、デ〇ルイヤー。

 これはもう一言も発せないなと、俺は危機感と共に細心の注意を払う事にしたのであった……。



 ◇



「それで、今日は何の用かな?」

「あー、はい。今日はお時間いただき、ありがとうございます」


 さっそく話を切り出すあーちゃん。

 それは傍から聞いていれば、ただ要件を済ませようとする切り出しにしか聞こえないだろう。

 しかし俺には分かる、今の声色からあーちゃんは、とにかくさっさと終わらせて帰りたがっているのだという事が――。



「生徒会の要件、でいいのよね?」

「それは――すいません会長、実は他に目的があります」


 やはり副会長には、他の目的があるようだ。

 そしてその目的とは――、



「今日は会長と――篠宮さんと二人で話をしたかったんです」

「二人で?」


 副会長の言葉に、訝しむあーちゃんの声。

 それもそのはず、今ここに来ている理由が生徒会の要件ではなく、そのうえ普段の会長呼びではなく苗字で呼んだのだ。

 そんな変化にあーちゃんが気付かないはずもなく、結局何故こんな朝から呼び出されたのかと言いたげな感じだった。



「いや、なに、お互いに生徒会会長と副会長で一年間やり遂げる事が出来たんだ。最後ぐらい、お疲れ様会をと思ってね」

「……なるほどね、理由は分かったけど、それならそうと言ってくれれば」

「だって言ったら、篠宮さん絶対来ないでしょ?」

「うっ、確かに……」


 笑う副会長に、図星を突かれたように返事をするあーちゃん。

 どうやら副会長も、あーちゃんが本当はどんな人なのか分かっているようで、その事がまた俺の中の不安を掻き立てる。



「分かった。だけど私も忙しいから、お昼過ぎには帰らねばならない」

「それはやっぱり、彼がいるからかな?」

「ああ、そう――いや、えっ?」

「あはは、まさか僕が気付いていないとでも? 篠宮さんが想いを寄せている相手がいる事に」

「いや、それは、その――」

「僕はいつも篠宮さんを見ていたからね、分かるよ」



 空気が凍る音がする――。

 なんと副会長は、あーちゃんに想い人がいる事に勘付いていたのであった――。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] これってまだ続くんですか?
[一言] おや、それでも気持ちを告げるとこまで行くのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ