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うちの生徒会長は、才色兼備で高嶺の花でみんなの憧れの的なのは分かる、分かるけど……  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!


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第23話「生徒会」

「やっぱ絶対そうだよねぇー、あーあ、私副会長狙ってたんだけど相手が会長じゃあなぁ~」

「あはは! それ無理ゲー」


 隣から、そんな女子達の会話が聞こえてくる。

 こういう事はこれが初めてではなく、正直これまでに何度もあった事なのだが、その都度俺は胸にチクリと刺さるものを感じてしまう。


 誰が見ても、お似合いの二人――。

 そんな周囲の評価が聞えてくる度、何とも言えない気持ちにさせられてしまうのであった。


 振り返れば、楽しそうに会話をするあーちゃんと副会長の姿。

 何故、隣で笑っているのが自分ではないのだろうかと、さっきまでの浮かれた気持ちはどこかへ、すっかりと沈み切ってしまうのであった――。



 ◇



 そして、今日は全校集会の日。

 いつものごとく、会長であるあーちゃんが檀上へ登ると、全校生徒へ向けてスピーチが始まる。

 語られる内容は、生徒会の解散についてだった。

 早いもので七月に差し掛かり、いよいよ現生徒会の解散――そして次期生徒会選挙が始まろうとしているのだ。

 既に立候補者は各役職一人ずつ挙がっており、この調子で行けばそのまま次の立候補者へ引き継がれる形となる。

 そんな予定調和とも言える生徒会役員選挙だが、あーちゃんの後を引き継ぐというのはそれ相応なプレッシャーとかあるだろう。



「――以上、これまで我々についてきて下さり、本当に有難うございました。残された日数についても、生徒会メンバー一丸となって全うさせて頂きたいと思います」


 そして、生徒会長のスピーチが締めくくられると、割れんばかりの拍手が鳴り響く。

 正直、普通の高校の生徒会長のスピーチに対するものとは思えないような、熱の籠った拍手であった。


 それはそれだけ、現生徒会――何よりあーちゃんの功績を称えての拍手なのだろう。

 それは俺としても嬉しい事であり、これであーちゃんも普通の生徒に戻る事が出来るのだと思うと、やっぱり嬉しくなってしまう自分がいた。

 我ながら現金なものだと思う。

 けれど残された高校生活、あーちゃんと一緒に登下校したり、この貴重な高校生活やれる事を色々とやっておきたいのだ。

 だからあと少しの我慢……そう思いながら、俺はこれからもあーちゃんのサポートをする事を心に誓う。

 何も無い俺だけど、頑張る彼女のサポートぐらい頑張ってやろうじゃないか。


 そして集会も終わり、またいつも通り授業が始まるとあっという間に一日が過ぎ去っていく。

 今日も生徒会の仕事があるあーちゃんより先に帰宅した俺は、今日はあーちゃんの好物であるカレーを作って帰りを待つ事にした。



 ピンポーン! ドンドンドン!


 そして、具材を煮込んでいるとインターホンが鳴らされる。

 その後ドンドンと叩かれるその音で、それが誰なのか確認するまでも無かった俺は、すぐに玄関の扉を開ける。



「かずくーん! ただいまー!!」


 ご機嫌な声と共に、今日も今日とて飼い主の帰りを待っていた飼い犬がごとく嬉しそうに抱きついてくるあーちゃん。

 その勢いに転びそうになってしまいつつも、どうせ今回もこう来る事を予測していた俺はぐっとなんとか踏み堪える。



「そんなに勢いよく飛びついたら危ないって言ってるでしょ」

「でへへ、だって嬉しいんだもーん!」

「はいはい、もうすぐご飯出来るからね」

「むっ! この香りは!!」

「今日はあーちゃんの好きなカレーだよ」

「やった! ありがとかずくん!! 大好きっ!!」


 今晩はカレーだと分かるだけで、それはもう嬉しそうにキャッキャと喜ぶあーちゃん。

 そんな子供っぽい仕草が、学校での生徒会長モードの時とのギャップがありすぎて笑えて来てしまう。

 あの凛々しい生徒会長様のこんな姿、学校の皆が見たらやっぱり驚いてひっくり返るに違いないだろう。

 しかし、当の本人はカレーというだけで本当に幸せそうに微笑んでおり、そんなギャップすらも魅力でしかないあーちゃんの事が、何だか堪らなく愛おしくなってきてしまうのであった。



 ◇



「ふぅ、ご馳走様でしたー! ぐわぁー」

「はい、どういたしまして。食べてすぐ横になったらブタになるよ」

「太らないから平気だブー」


 カレーを二杯ペロリと平らげたあーちゃんは、満足そうに俺のベッドの上で横になる。

 そんないつも通り過ぎるあーちゃんに何だかほっとしつつ、俺はさっさと洗い物を済ませる事にした。

 しかし、洗い物もそろそろ終えようかという頃、あーちゃんの呟く声が聞こえてくる。



「あ、時田くんからだ」


 副会長の名前があーちゃんの口から聞こえてきた事で、ドキリと胸が跳ね上がる。



「え、副会長?」

「うん、明日土曜日だけど、相談したい事があるんだって」

「相談って、何?」

「さぁ、何だろうね。午前十時に駅前に集合ってあるけど、休みの日に早起きはしたくないよー」

「そ、そっか。それであーちゃんは、行くの?」

「うーん、生徒会の話じゃあ仕方ないよねぇ。あーあ、週末にかずくんを補充しないと駄目なのにぃ」


 その言葉に、俺の心臓がドクンと一回大きく揺れる――。


 ――明日、副会長と会うのか。ふ、二人きりで? いや、生徒会だから他のメンバーも?


 ――それって本当に、生徒会の話なの、か?



「でも二人でなんて珍しいな――いや、初めてかも?」

「ふ、二人きりなの!?」

「ふぇ? あー、うん。そうらしい、けど?」


 そして事態は、どうやら俺の予想した最悪の方へ流れてしまっているのであった――。



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― 新着の感想 ―
[一言] 多分、そういうこと、なんでしょうねえ。 彼女に自覚が全くないのが…
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