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第一夜・幕開け

 ナイアたちが屋敷にたどり着いた晩のことだった。明かりの落ちた屋敷の大広間で、台座は突然、変形を始める。周囲は暗闇。誰も操作する者はいない。


 絵画に彩られた床が開いて、台座がせり上がると同時に床下に収められていた大きな本体部分が露になる。それは、ちょうど天井から突き出した金属の突起と材質が一緒であるようだった。次第に左右に分裂し、ガシャガシャと音を立てて形を変える。そうして中心に穴のある、金属の輪が完成した。


 ぽっかりと開いた巨大な穴は、地獄への門だとでも言うように、暗闇の中で獲物を待っていた。しかし、今は、まだその時ではない。


 もともと台座まわりの床として機能していた石板は、金属のアームで空中に持ち上げられるようにして、その地獄への門にそっと上からベールを被せて隠すように、左右から穴を覆う。タイルに添って分かたれていた床は、かちりとパズルのようにはまって、荘厳な山並みを背景に、風光明媚な自然を描いたもとの絵画へと戻る。一見して左右に分かれることは想像がつかないほどだ。


 起動した台座━━━━魔道具【公平なる裁定】は屋敷全体を一つのゲーム会場と見做していた。それぞれの客間は、各チームのセーフエリア。すなわち、陣地。


 そして、このゲームはそれぞれの陣地にゲーム会場━━━━屋敷内の全てのプレイヤーが5チームに割り振られることでスタートする。


 すなわち、各チームがそれぞれの部屋で寝静まっているとき、台座は起動してしまったのである。そのことに皆が気が付くのは、翌朝の事であった。起動した台座のそばで横たわる、執事ザカリアの骸と共に。

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