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ダンジョン攻略

 …………


 ……


 …


 ……て……お…て……おき……………


 どこからか、声がする。


 ……きて……て…………お…て…………おきて……おきて!


 ああ、これは目の前からの声だ。もう会うことがないと思っていた、ふわたろうが、なぜか目の前にいて、私の顔をぺろぺろとなめながら、そんなことをしきりに言ってくる。


 もういいんだよ。


 私にはお迎えが来たんだ。


 きっと、これは夢なのだろう。死ぬ前に見る走馬灯という奴だろうか。


「なんとまあ、情けない弟子だね。低級ダンジョン如きでくたばるとは」


 低級ダンジョン? いや、そんなことはどうでもいい。


 なぜ、ここにあなたがいる?


「……ぁ……あ……」


 声はしゃがれて、意味を持つ言葉を紡がない。


 けれど、伝わった。私が生きている、その事実は。


「おや、生きていたのかい。存外にしぶといね。ほら、水だよ」


 私はあさましくみっともなく、口にあてがわれた水が半分ほど入った水筒の中身をがぶがぶと流し込んだ。


 息が苦しい。けれど、早く水を飲まないと気付いたら死んでしまいそうだ。


 水筒の中身を全て飲み干した後、まずは息も絶え絶えになりながら、首の筋肉を動かせるようになった。と、同時、もやがかかっていたような思考が急速にクリアになっていくのが感じられた。


「さて、これも飲みな」


 言われるがままに、口に押し付けられたポーション瓶をごぶごぶと喉に流し込む。


 その瞬間、カッと体の中が熱くなって、見る見るうちに体中の血の巡りが良くなった。筋肉も働きを取り戻し、視界以外の五感が正常な働きを取り戻していった。


「さて、無様な弟子とその相棒よ。ダンジョン攻略の時間といこうかい」


 婆さんは、花畑の中心で怒りの表情を浮かべた単眼のボスを見て、笑った。

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