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カード

 冒険者ギルドの扉を開く。内装は外の無骨な造りとは裏腹にしっかりと装飾が施されていた。しかし決して華美には過ぎず、落ち着いた雰囲気を感じさせるものだ。暗色の木材を使った内装は荒れくれ者たちに落ち着きや冷静さを与えてくれることだろう。その暗い印象を受ける室内に赤い絨毯はよく映える。こちらは新鮮さで以てアクセントとなり、この内装に必要な彩を加えている。


「あの」


 私の声に反応して受付の女性がにこやかな笑みをこちらに向ける。


「はい、ご用件をお聞きします」


「冒険者になりたいのですが冒険者になるには、どうすればよいでしょうか」


「冒険者登録のご希望ですね。承りました」


 受付嬢の話では、冒険者になるにあたって直筆の氏名が必要であるらしい。確認のため、というが、そんな簡単なことで一体何の確認が出来るのか疑問だ。


 受付嬢はその名前が書かれた紙を側に置かれた箱の中に入れ、蓋を閉じた。ジュ、という音がして、小さく薄い、長方形の板が出てきた。


「こちらが冒険者カードになります。こちらのカードはいつでも再発行が可能です。紛失時には必ずギルドにご報告いただき、すぐに再発行をお願いします。」


 何か意味があるのかと思ったが、聞けば、"亡くなった際に死亡を確認するため"とのことだった。


 冒険者が死んだとき、ギルドカードが見つかればその冒険者の死はデータとしてギルドで記録される。なるほどギルド側で冒険者という戦力がどれほどのものかを理解しておけば、いざ強大な魔物が発見された際の討伐や不測の事態が起きた時の対処も楽ということだろう。


 また、このギルドカードは冒険者ギルドに所属しています、という証明にもなる。他の街のギルドに行った際でも、これを提示するだけで簡単に自分が冒険者だと証明できるのだ。


 思ったより合理的なのね。


 私は無駄のないそのシステムにいたく感心してしまった。


 

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