気がかり
それからも旅は順調に続いた。
各地の都市を巡り、王都への道を行く。
婆さんは街に着くごとにどこかへ行ってしまう。かつての仕事での知り合いに会いに行くと言っていたが、そんなに色んな場所にドブさらいで出来た繋がりがあるとは。婆さんは結構顔が広い人なのかもしれない。
もしや、各地のドブさらいでコミュニティーがあるのやも。
「婆さん、ゲッティローグって場所は知ってる?」
「辺境の小さい街だねえ。行ったことはないけど、聞き覚えのある地名だよ」
辺境の小都市の名前なんて誰も気にも留めないはずだ。ゲッティローグにもドブさらいの人がいて、その人から婆さんは話を聞いていた、と考えればどうだろうか。これが一番しっくりくる。
「ねえ、婆さん。もしかして、ゲッティローグにもドブさらいの人が────」
「そういえば、────相棒はどうしたんじゃ。街の中には入れんじゃろう。」
「ふわたろう? それなら外で待っていてもらってるよ。多分、呼んだらすぐに来てくれると思う」
「なるほど。それなら良いのじゃが……仮にも魔獣じゃからな。暴れられでもしたら困る」
「ふわたろうはそんなことしないよ……。そこらにいる魔獣と同じにしないで。」
まったく、ふわたろうはそんな見境なく暴れる品性のない魔獣と一緒にしないでほしい。
と、そのとき私の脳裏に、ふわたろうが街の近くの森の生態系を荒らしまわった結果、魔獣のスタンピードを引き起こしたことを思い出す。
「……」
「ナイア?」
私の妙な間と表情に、婆さんは疑問を抱いたようだった。
「いや、なんでもない」
ふわたろう、本当に大丈夫だろうか。何事も起こしていないといいが……。
心配になってきた……。




