やらかし
森の中、ふわたろうが隠れていた木のうろの中で、私と相棒はある重大な件について議論をしていた。
どうやら、あの魔物たちの暴走、俗にいうスタンピードという現象は、ふわたろうが森で暴れまくった結果、おそれをなした魔物たちが人間たちの街に、なかばパニくりながら逃げてきた結果であるらしい。
「つまり、あのスタンピードはふわたろうが森中の魔物を狩りつくした結果である、と?」
「いいや、ナイア。それは断じて違う。あくまでそういった可能性がある、ということについて言及したまでだよ」
脳内での会話を通して、わたしはふわたろうに事の大きさについて述べる。
「すこし遅かったら、何人も死んでたかもよ?」
「……ふわたろう。」
少し怒気を込めて言う。
じーっとふわたろうの目を見る。先に視線をそらしたのはふわたろうのほうだった。
「……わかった。わるかったよ」
「わかればよろしい。」
さて。これからどうするか……。
恥ずかしくて私はもうあの町に顔を出す気が起きない。というか、聖女様だとかなんとか感謝されているが、そもそもの元凶が身内だったなんて死んでも言えない……
「ふわたろう、逃げよう」
「そうしようか……」
そのまえに、あの糞婆の安否が気になる。
ちょっと見に行ってみるか。
街はてんやわんやであった。あちこちに積み重なった魔物の死骸を大勢の人々が運ぶ中を、そこらへんにおちていた大きめの白い布で身を隠しながら進んでいく。
結果から言うとあのクソババアが経営していた宿屋、風のうなり亭は半壊していた。あの状態だともう再建は無理なんじゃないだろうか。これは申し訳ないことをしてしまった。
私たちは逃げるように、さっさとその街を後にした。




