笑顔
その後も槍、大剣、弓と、邪神の力で作られた武器を思いつくだけ試して見た。死んでは戻り、死んでは戻り、いちから武器ごとの戦闘の方法を学んでいった。
しかし、どの武器もしっくりこない。というか、どの武器も人面熊を倒すには至らないのだ。
仕方がないので私は素手で戦うことにした。武器を使わずともキング・グリズリーを倒せる程度には、私は強くなっていた。
それは筋肉が鍛え上げられたこともあるだろうが、感覚や経験によるものが大きい。戦い続けた結果が今いる位置なのだと思うが、それでも人面熊が倒せないというのは、邪神のやつめいきなり難易度を上げすぎだと思う。
「てや!」
私の発声と共に拳がグリズリーの王のどてっぱらに風穴をあけた。
邪神は焦っていた。
『困りましたね』
何度も何度も、ナイアは死んで強くなった。
『しかし、こうまで成長するとは…』
育てていくのが楽しかった。その結果、思ったより強くなってしまったのは誤算だったが。
『しかしこのままでは…』
本来、人面熊はナイアに倒されてはならない存在だった。人面熊は、本来人の身では確実に敵わない相手。であるから守らねばならない場所を守護する存在として利用してきた。ナイアに対しても、障壁として機能すればよかったのだが…
『このままでは破られるのも時間の問題だ』
人面熊が倒されることになれば、いよいよ邪神としてもよろしくないことになってくる。
『守らねばならないというのはわかっているが、、、いやしかし、、、にしても困る』
邪神はそう言って、好々爺のような笑顔を浮かべた。
『これ以上は覚悟が必要ですよ。ナイア』




