縋る(すがる) -そして渡す-
立ち止まり、疲れた時、
ふと寄りかかるところが欲しくなる
倒れ傷つき、立ち上がりたい時、
縋る杖が欲しくなる
涙を忘れたい
痛みから逃げたい
悲しみや苦しさを、
わずかでも和らげ助けるものが欲しい
それは普通のこと
好きな人、好きな物語
そっと、心のささえにしたい
疲れたり傷ついたりしている時は、
慰めを、
安らぎを、
そんなわずかな温もりを糧にして、
じっと耐えしのいでゆく
いつかまた
立ち上がり
歩き出す
そして、
誰かがいつか見るかも知れない物語を綴る
疲れ傷ついた誰かのための物語を紡ぐ
優しくて、涙が出るような悲しさと嬉しさを込めた物語を
疲れ傷ついていても、
また立ち上がり歩き出すことのできる、そんな力を与えられる物語を
次の誰かのために