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山姥切殺し  作者: しゅうか
本編
8/16

4.Side国広 キッチン

Side国広

※BGM 妖虫

※場所 鬼女の家【ウラ】廊下

【国広】

なんだ?

すごい寒気がする。

【キリクニ】

ああ、あんたは見えないのか。

ここは瘴気が満ちているからな。

怪異の溜まり場になっているんだ。

【国広】

それって、大丈夫なのか?

【キリクニ】

少なくとも、俺が傍にいる限りは襲ってこない。

あいつらは、俺を化け物切りの刀と認識しているようだからな。

【国広】

化け物切り……?

【キリクニ】

こっちの話だ。

とにかく、俺の側から離れるなよ。

【国広】

分かった。

※廊下をうろつく怪異を調べる

【怪異】

……山姥切………怖い……

早く……おち………のに


※場所 鬼女の家【ウラ】キッチン

〔テキスト〕

一見ごく普通のキッチンだった。

シンク、ガス台、ごみ箱、冷蔵庫、食器棚と最低限の物が置かれている。

変わったことと言えば、食器棚が錠前で閉じられていることくらいだ。

キッチンの奥には扉があり、風呂場に続いている。

※ゴミ箱を調べる

〔テキスト〕

丸められた紙が捨てられていた。

紙には手書きで意味不明な文章が書かれている。

「1→ア、2→カ、3→サ、4→タ、5→ナ、6→ハ、7→マ、8→ヤ、9→ラ、0→ワ

 81→ヤ、82→ユ、83→ヨ(84からは小文字)

 ヅ→43*1」


※食器棚を調べる

〔テキスト〕

食器棚にダイヤル式の錠前が掛かっている。

錠前には「23、95、43*1、21」と彫られている。

※クロヅカと入力

〔テキスト〕

食器棚には徳利とお猪口が入っていた。

「徳利とお猪口」を手に入れた。

〔アイテムテキスト〕

徳利とお猪口

愛らしい鹿が描かれている

中に入れる酒を探そう


※冷蔵庫を調べる

〔!〕+国広

〔テキスト〕

冷蔵庫には人間や動物の肉や臓器が入っていた。

【国広】

(うぅ……。

 こういうのは初めてじゃないが、やはり慣れないな)

〔テキスト〕

冷蔵庫には日本酒も入っていた。

「日本酒」を手に入れた。

〔アイテムテキスト〕

日本酒

橋那山がある地域の地酒

これを入れる容器を探そう


※BGM ピルグリム

※キリクニ・国広 シンクの前に立つ

【国広】

(材料が揃ったことだし、お猪口に酒を入れよう)

※SE 酒を入れる音

【国広】

……そういえば。

さっきもう一人長義が、俺の知ってる長義と同じ顔をした奴が居たよな。

あんたの知り合いだったみたいだが。

【キリクニ】

あいつは、同じ本丸の刀。

あんたに分かりやすく例えるなら……そうだな、職場の同僚になるか。

【国広】

仲がいいのか?

【キリクニ】

……いや。少なくとも、良くはなかった。

あいつの初仕事で少し話したくらいで、それ以降は最低限の会話しかしていない。

一緒に働いてはいたが、俺はあいつの事をよく知らないし、あいつも俺の事をよく知らないだろうな。

だから正直、お前達が恋仲なのには驚いた。

【国広】

そうなのか。

【キリクニ】

だからって、険悪だったわけでもないけどな。

少なくとも、俺はあいつを知りたいと思っていたし。

あいつも、別に俺を嫌っている様子はなかった。

……色々、思うところはあったみたいだがな。

【国広】

……。

【キリクニ】

だがこんな事になるなら、あいつは殺したいほど俺を憎むべきだった。

そうすれば、お互い苦しまずにすんだんだ。

【国広】

え?

【キリクニ】

なんでもない。

準備が整ったら、行くぞ。

〔テキスト〕

「徳利」に「日本酒」を入れた。


※BGM 妖虫

※場所 風呂場

〔テキスト〕

湯舟は今時珍しい、薪で沸かすタイプの風呂釜だった。

シャワーはあるが、ボディーソープやシャンプー、風呂椅子、鏡などは見当たらない。

代わりに、先がフックの様に曲がったナイフが何故か壁に掛けられていた。

※国広 風呂釜を調べる。

〔テキスト〕

 風呂釜に触れた瞬間、周囲の景色が一変した。

 白熱電球が照らす明るい風呂場で、裸の男が逆様に吊り下げられていた。

 男には心臓に鋭利な刺し傷があった。

 風呂釜に赤く染まった水が溜められていることから、血は洗い流されたのだと推察できる。

 男の前には、白い女がいた。

 腰まで伸びた髪も、肌も、着物も、何もかもが白い。

 その手には大きなナイフが握られていた。

 先端がフックのように曲がったガットナイフと呼ばれるもので、動物の解体に使われる物だった。

 女はそのナイフを使い、男を解体していく。

 背中を切り裂き、皮をはいで、内臓を取り出して、残った肉を部位ごとに切り分けていった。

 突然景色が変わる。

 やはり風呂場で、風呂釜では玉ねぎが大量に炒められていた。

 先ほどと同じ白い女が、風呂釜の前に立っている。

 女が手にしたボウルには、一口大に切られた大量の肉があった。

 国広は直感的に、それが人間の物だと理解した。

 女は肉を風呂釜の中に投入すると、巨大な木べらで炒め始めた。

【国広】

うっ……。

【国広】

(ここは風呂場なんかじゃない。

 解体場であると同時に、巨大な鍋なんだ。

 洗い場に鏡がないのは、それが必要ないという事か)

【国広】

……早く、ここから出ないと。

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