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山姥切殺し  作者: しゅうか
本編
7/16

3.Side長義 人形探し

Side長義

※BGM 妖虫

※場所 鬼女の家【表】人形の間

〔テキスト〕

薄暗い室内には、人形が整然と並べられていた。

最近流行りの服を着た若い女性の人形もあれば、古いデザインのタキシードを身に着けた高齢の男性、赤いドレスを身に着けた就学前の少女まである。

年齢も性別も国籍も服装も統一感がなかったが、唯一美しいという事だけが共通していた。

全員入口の方を向いていて、静かに目を瞑っている。

部屋の奥には和紙が張られ、そこには墨でこう書かれていた。

「人形達の機嫌を損ねないよう注意してください。特に他の人形と間違えられるのを嫌うようです。」

※鬼女の家【ウラ】にあるのと同じ人形を調べる

【南泉】

うぅ。なんか、すげぇ寒気がする。

これ、本当に人形なのか?

【長義】

確かに、人形にしては出来が良すぎるかな。

【山姥切】

……人形じゃないのかもね。

【南泉】

に、にゃんだって。

【山姥切】

遺体を綺麗に保存する方法なんて、いくらでもあるだろう。

【南泉】

ま、待つにゃ!

お前の推測が当たっていたら、これ全部……?

【山姥切】

まぁ、可能性の話だけどね。

どちらにしろ、俺達のやることは変わらないよ。

【南泉】

……帰りたいにゃ。

〔テキスト〕

「人形」を手に入れた。

〔アイテムテキスト〕

人形

等身大の良くできた人形

多分人形、きっと人形、恐らく人形


※場所 鬼女の家【表】水鏡の間

※空いた椅子に人形を設置。

【山姥切】

よし。これで後は、あちらの準備が整うのを待つだけかな。

【南泉】

そういや、それいつまで待つ気にゃ。

こんな山奥で、夜を迎えるのはごめんだぜ。

【山姥切】

そうだね、三十分が限度かな。

それ以上は、あいつらが持たない。

【南泉】

…………?

何か分かんねぇけど、日暮れ前には下りられるか。

仕方ねぇ、付き合ってやるよ。

【山姥切】

お前は、そう言ってくれると思っていたよ。

【長義】

俺も待つのに異論はないよ。

※BGM ピルグリム

【長義】

ところで、山姥切長義。

お前は、自分の記憶を疑ったことはないのかな?

【山姥切】

何かな、藪から棒に。

【長義】

ただ気になっただけだよ。

これだけ年月が経ってて、山姥切長義ともあろうものが、その可能性を全く考えなかったとは思えない。

俺は頑固な所があるとは思うが、だからと言って事実から目をそらすような奴ではないだろう?

【山姥切】

確かに。全く考えなかったと言えば、嘘になる。

全て俺の思い込みで、偽物くんの存在を示す証拠は幻覚ではないか。

俺は存在しない刀を探しているのではないか。

ならこんなことは止めて、皆のように転生し、全て忘れて幸せに暮らすべきではないか。

そう、考えたことはあるよ。

【長義】

……。

【山姥切】

だが、もし偽物くんが実在した場合はどうなる?

俺が幸せを享受する陰で、忘れられたことにすら気づかず、俺を信じて永遠に待ち続けることになる。

【長義】

それは……。

【山姥切】

俺は、そんなのは御免だ。

そうやって仲間を見捨てるような刀に、山姥切長義を名乗る資格はないよ。

そいつは山姥切でも、長義の傑作でも、山姥切国広の本歌ですらない。

【長義】

だから、今まで山姥切国広を探し続けたっていうのか。

たったそれだけの理由で。

【山姥切】

他人は知らないけど、俺にはそれで十分だよ。

【長義】

……。

【南泉】

……なぁ、取り込み中悪いんだけどよ。

椅子の下に何か落ちてないか?

※BGM 妖虫

※椅子を調べる。

〔テキスト〕

椅子の下に「猟師の本」があった。

〔テキスト〕

あるところに、大変うでのいい猟師がいました。

ある日猟師は、森にオオカミがでたというウワサをききました。

そのオオカミはかちくや人をおそって食べてしまう上に、大変ずるがしこいそうなのです。

それを聞いた赤ずきんのお母さんが、叫びました。

「大変だわ! 娘は、おばあさんのおみまいに森へ行ってしまったのよ!」

猟師はそれを聞いて、あわてて森へ入っていきました。

しかし困ったことに、猟師は森で迷ってしまいました。

「日がくれたら大変だ。早く、オオカミを見つけなければ」

猟師は森の地図を見ながら、しんちょうに進みました。

すっかり日がしずんで夜になったころ、猟師はおばあさんの家にたどり着きました。

おばあさんの家に入ると、なんとオオカミがベッドで眠っていました。

猟師は大きくするどいナイフで、オオカミのノドをつきさし退治しました。

そしてそのナイフで、でっぷりとふくらんだオオカミの腹をさきました。

すると中から、赤ずきんとおばあさんの死体が出てきました。

猟師は「森で迷わなければふたりを助けられたのに」、と朝がくるまでわんわん泣きました。

おしまい。

〔テキスト〕

本の見返しに鍵が貼り付けられていた。

「猟師の鍵」を手に入れた。

〔アイテムテキスト〕

猟師の鍵

猟師のキーホルダーがついた鍵

きっと誰も救えない

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