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とあるトラック運転手の転生

運転手も転生します

俺は眠りから目覚めた。

床も天井も真っ黒だから、周りに壁があるかないかなんてさっぱりだ。


だがこんな風に一人で目覚めたのは久しぶりだ。

嫁に起こされないなんてどれくらいぶりなのか。


「ははっ」

思わず笑ってしまった。


「おや、ここに来て笑うなんて珍しい人ですねえ。どうして笑ったんです?」


「いや、お先真っ暗だと思って死んだのに目が覚めても真っ暗なところにいるなんて

笑う以外にどうしろって言うんだ?」


「なるほどなるほど。どんなものかと思っていましたが、これは当たりを引いたようですねえ」


「で、さっきから話してるあんたは何なんだ?」


「私ですか?まああなた達の世界でいうところの神様みたいなものです」


「その神様が俺に何の用だ?救いでもくれるのか?」


「いいえ、どちらかというと共犯のお誘いです」


「は、共犯を誘う神様なんているのかよ。いいだろう、話くらいなら聞いてやる」


「それはそれはありがとうございます。

我々の世界にも派閥争いとか支配圏のいざこざとか、そういうややこしい事がありましてね。

私と彼女もその揉めている当事者なのです。

で、ちょうど揉めている場所にあなたが轢いた男を自分の手先として転生させたのです」


「なんだと?」

あの男が?俺が轢いてしまったあの男が?俺の家族と人生を滅茶苦茶にしたあの男が?

勇者として転生しただと!?


「それは本当か」


「はい。世界を救う勇者として最高の能力にハーレム付きで、です」


「それと共犯とどんな関係があるんだ」


「あなたには私の手先として魔王となり勇者、もといあの男を殺してほしいのです。

もちろん報酬もお支払いいたしましょう。

殺したあかつきには、あなたを『彼のいない』元の世界に復活させてあげましょう。

日付は、あの事故の前日です」


「なに!」

やり直せる!妻も娘も父も母も死なない、俺も事故を起こさない、そんな世界でやり直せる!

しかも条件はあの男を殺す事!

俺の人生を滅茶苦茶にしたあの男を殺せば元の世界に戻れる!


「いいだろう!その話乗った!」

こうして俺は、魔王として転生することを選択したのだった。








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