第5話 協力者
私が入室を許可すると執事であるセルバスとメイドのメリダの二人が入ってきた。
セルバスはクレインハイト家に仕える従者の一族の者であり執事長、メリダも同じく従者の一族の者でメイド長である。この二人は私のお母様の時から従者として働いている私にとって最も信頼できる。
「お嬢様、ご用件は何でしょうか?」
メリダが私に尋ねるのを聴きながら私はクリスタル型の魔道具を取り出して言った。
「今日来てもらったのはね。これを貴方達に聞いてほしかったからなの。」
「この魔道具は?」
「使用者の聞いた事を録音する魔道具よ。お母様が作ってた魔道具でこれは試作品。」
「これがリリア様が作っておられた最後の魔道具・・・」
お母様は試作品が出来ていたのを教えてなかったようね。
「これには何が入っているのですか?」
「この中にはお母様が亡くなった日にお父様と医者の二人が話していたことよ。二人とも心して聞いてこれに録音された会話を」
私の話を聞いて真剣な顔つきになった二人に録音された音声を聞かせた。
「・・・・・」
「・・これはほんとうのことなのですか?」
録音されてる音声を聞かせたらメリダは沈黙、セルバスは録音内容が事実なのかを尋ねてきた。
「事実よ。だって私自身が聞いたものなのだから。」
「それではリリア様は・・・」
「病死では無いわ。」
「そんな・・・」
メリダは怒りで体が震えており、セルバスは見た感じいつもと変わらないように見えるが手が強く握られていた。
ーやっぱりお母様は愛されてるなぁー
二人の様子を見て嬉しかったし私もそうありたいと思う。
「これから話すことは誰かに話すのは極力避けて特に父の息のかかった者の耳には絶対に入れないで。」
こう言うと二人は真剣な顔つきになった。
「私は父もあの医師もこのままで許すつもりはないわ。あの二人を絶対に法で裁く。でも今のままではそれは出来そうにはない。だから二人に手伝って欲しいの。私が一番信頼できる二人に。」
「はい。何なりとお申し付けください。」
「お嬢様、リリア様の為にこの身を捧げましょう。」
「ありがとう。貴方達二人には自由に動くことのできない私の代わりに動いてもらうわ。まずはセルバスね。貴方は父が今までやってきた事を調べなさい。見つかった不正の証拠を集めておいて。メリダはこの録音の魔道具をお母様最後の作品として商会への売り込みを頼むわ。王国中に広める事を目的とするから売り込む商会はよく選んで。」
「かしこまりました。」
「お嬢様、一つお聞きしたいのですが。」
「何かしら?」
「セルバス執事長への命令は分かりますが。私への命令がゼレン様を追い詰めるよういんになるのでしょうか?」
やっぱり命令だけでは繋がらないか
「この魔道具が聞いた声を録音するという事が王国中に広まることが一番の目的。今この魔道具はこの三人にしか認知されてないのよ。このまま証拠として出してもそういう魔道具だと知らないといくら本当のことだと証言しても信用されないわ。だから王国中に広めるのよ。信用のできる証拠として使えるようにするために。」
「なるほど、了解致しました。」
「二人とも頼むわよ。状況によっては他の者と協力して当たりなさい。そして無理だけはしないで。貴方達を失うわけにはいかないからね。」
「「ご指示承りました。!」」
二人への指示は終わった。後は上手く立ち回るだけね。




