第1話 全ての始まり
「これで買う物は全て買ったかな。」
雨峰 咲楽は手に持っている袋の中を確認しながら呟いた。
「うん。 全部あるね。」
全て買った事を確認し、頷きながらそう呟く。同居している姉に頼まれた物を買いに来ていた。
「これからどうしようかな。お姉ちゃんはまだ帰ってこないし。」
家への道のりを歩きながら思案する。友人達は用事があるとかでいないし姉は夜にならないと帰ってこない。それまで暇なのである。
「お菓子でも食べながらゲームでもしようかな。」
そう呟いて今家にお菓子が無いことを思い出す。
「お菓子買ってから帰るとして何を買おうかな。」
(ポテトチップス、ポップコーン・・・クッキーとかもいいね。てかクッキーとかなら時間もあることだし作ろうかな)
家にある材料を記憶の中から引っ張り出しながら作れるものを考える。
(クッキーやポテトチップスはつくれそうね。その他にもスイーツも何種類かつくれるわね。 そういえば今日あそこの店新商品のスイーツを販売する日だったわね私だけ食べるとお姉ちゃん不貞腐れるしお姉ちゃんの分も買おっかな)
頭の中で姉が帰って来るまでの予定を立てながらちょうど青になった信号を渡ろうとしたら
ドン!
と大きな音が鳴り、驚いて音のした方を向いた私が見たのはこちらに突っ込んで来る車と足がすくんで動けない子供だった。
このままではこの子が死んでしまう。と思った時には走っていてその子を安全な場所に突き飛ばし、私の意識は途切れた。