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メンソレータム

作者: 長谷川真美

スマホの小さな画面で繋がる人

毎日その端末を見つめる

多くの人とすれ違う日々

繋がりはポケットの中に入る


桜の開花が告げられた。白山通りを歩いていく。風が吹く。黒い長い髪が風の形を作っていく風が吹き続ける。髪が左右に舞う。一筋の黒。頬に髪がかかる。手で押さえる。駅のホームで総武線を待つ。腕時計を見る。15:04。電車が来るまであと数分。この電車に乗るのもあと僅か。見慣れた景色を窓ごしに眺める。いかついジェットコースターのレールと大学のビル群を思わせるような校舎の対比は未だに慣れない。御茶ノ水で中央線に乗り換える。向かいのホームに移動する。数秒の時間。ふと立ち止まる。空を見上げる。あぁ春だな。太陽の光が温かい。目線を戻す。一人のまだ若い男性と目が合う。その目を見つめる。彼も私を見つめる。数秒の邂逅。どこかで会ったことがあったのだろうか。多くの人が行き交う街で生きている。大勢の中の一人。東京駅で降りて人混みに紛れる。数えきれない人たち。もう会うことはない。特別な感情は沸かない。忙しなく呼吸をする。早足で目的地に向かう。私の人生の縮図だとしたらどこか哀しく寂しい。目に涙がたまる。花粉症なのか感情がこぼれ落ちたのかは分からない。メンソールの目薬の刺激がいつもより強い気がした。FIN.

恋愛物を書こうとしたのですが、また、しんみり系になってしまいました。

東京駅に行くとHPが激しく消費されるのは私だけでしょうか・・・。


BGM:J-wave


2018年3月18日

長谷川真美



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― 新着の感想 ―
[良い点] 「私の人生の縮図だとしたらどこか哀しく寂しい。」というフレーズが気に入りました。 [一言] 職場が御茶ノ水でいつも駅を利用するので、情景が目に浮かびました。
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