第5節 苦境を抜け出す
どれぐらい経ったのかをわからないが、お母さんはやっと泣き止んだ。
しかし、まだ落ち着けなく、深く考え込んだようにぼうと座っているが、何を考えているかを自分さえもわからない。
林海がいつか家を出ていつ戻ったかもわからない、林海の話によると、もうすでに林平の勤務先に電話したら、雷さんも病院まで運ばれて、怪我したがひどくなく、命に別状もなかったようだ。
その話を聞いて、お母さんは半分落ち着いたので、林平にも教えてって言った。林海は林平の部屋に向かったが、間もなく戻って、林平が自分の部屋にいない、どこに行ったかをわからないと言った。
お母さんは林平が自分の部屋へ入ったと見たので、林海の話を聞いてびっくりした。急いで駆けつけて、確かに林平を見つけないが、部屋の窓が開けられ、靴の跡も残っている。林平はそこから四合院に出たのが明らかだ。
林平は疲れたから、休みたいと言ったのに、どうして家をこっそり出たのか?とても落ち込んでいるのに、何をしに行ったのか?何かハプニングがあるのか?と一瞬、お母さんは不吉な予感に襲われ、全身に鳥肌が立った。
お母さんは急いで街に出て、楊小菊が仕事している病院に電話した。勘だが、今の林平は楊小菊以外に、行くところがないとお母さんは思った。林平は本当に楊のところに行ったら、お母さんは別に心配しないが、電話に出た病院の人は肯定的に言った、それは楊小菊がすでに外国人に嫁いで、数日前に新婚のご主人とオーストラリアへ行った。その話を聞いて、お母さんはぽかんとした、しばらくしたら、やっと意識を取りも出したが、林平のおかしな様子の理由をやっとわかった。
「林平は心が痛いと決まっている、とても悲しいだろう。でも林平は何も言わずに、何でも心に顰めて自分を苦しくしている。性格が悪く、楊小菊とよく喧嘩しているが、もう付き合いたくない気持ちがなかったようだ。でも楊小菊は突然居なくなったことで、林平が一番傷付いたのは林平と決まっている、雷さんとの衝突もそのせいだろう。傷付いたときに、親しい人からの関心が必要とするから、家に帰ったのだ。でも自分は何をしたかよ、慰安どころか、どんどん叱っていて、感情脆い彼にとって耐えられなかった」とお母さんはそう思って、涙は出てきていた。
「林平よ、どこにいるの?何をしに行ったの?早く帰りなさい。母さんは謝る、傷付いた心をもっと悲しくすべきではなかった。今、自分が間違いをわかった、でも、あなたはどこに行ったのよ。本当に心配しているから、林平よ、バカなことをしないで」、お母さんは自分の心が血が出てきたような気分になった。
家に戻ったら、お母さんはすぐ林海と玉風に林平を探せと言った。林海はこんな広い北京でめどがつかないよといやな気持ちを表したら、お母さんに叱られた。
林海たちは出たら、お母さんは一人で落ち着かないでいて、不吉な予感が湧いてきて、どんどん怖くなった。
「林平はどこに行くだろう?普段一人でいるのが好きだから、機嫌が悪いときに、さらに一人になりたがって、苦行僧のように自分が馴染んだ所で深く考え込む。今日は家に帰って、家に入ったら、自分の部屋にいたかっただろう。今、その部屋以外どこかに行くだろう?そうだ、もしかして勤務先に戻って、寮に行ったかもしれない。楊小菊は話したことがあるが、それは林平の寮には二人が住んでいるが、もう一人は半年前に一年間の勉強で他のところに行っているようだ。林平も一人で寮にいるのが家より気持ちいいと言ったことがあるようだ。今は家じゃなくて、寮にいるかもしれない。」
お母さんは家前の道を出て、タクシーを拾って乗った、早く走ってくださいと催促している。
林平の勤務先についた。初めてだが、お母さんは尋ねて間もなく林平の寮を見つけた。
二階にある寮のドアが閉まっている、屋内の電灯もついていない、何の音もない。お母さんはそとでノックしながら、林平の名前を呼んでいる。屋内は静かだ、隣の部屋がお母さんの音でドアを開けた、林平と年齢が変わらない同僚たちも林平が帰ってきないと言っている。
お母さんは心配している、他の部屋から出てきた若者にお願いして、ドアの上にある窓から屋内の様子を見てもらったら、若者が椅子を持ってきて、窓に新聞紙がついているのを言った。お母さんはガラスを割るようにお願いしたら、向こうは難色を示した。お母さんはまた、自分が林平の母親で、戸籍証明書を林平のところに置いているが、今どうしても急いでその書類が必要なので、割れるガラスに賠償するのでと言って、お金を出した。自分のことを証明しようとして、お母さんは多くの名前を言い出した、隊長や書記、雷さん、同じ事務室にいる同僚など、それは普段林平と楊小菊との会話から覚えた。
信憑性のある話を聴いて、周りの人はお母さんを信じた。
ガラスを割ったら、その若者は屋内を覗いたら、電撃されたように叫びだした、椅子から飛び降りて、強くドアを蹴っている。皆はそれを見て、一緒に駆けつけた。
間もなく、ドアが開いた。
光がついたら、お母さんの前にこんな場面があった、それは小さい部屋の空地に、白色のズックが敷かれていて、その上に倒れている林平は綺麗な服を着ている。その綺麗な服とズックは血で染まった、その一番赤いところに、ナイフが腹に刺されて、柄しか外に残っていない。
目が閉まっている林平は苦しそうな表情をしているが、落ち着いていて、疲れ果てた後に、世間のすべての煩悩を捨て静かに眠ったようだ。林平は深く眠っていて、すべてを忘れたようだ、人に抱かれても、ぜんぜん知らないようだ。生まれてから、初めてそんなに服従的になっている、でも…
お母さんはすさまじく叫んで、気を失った。