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弱者の天国  作者: JCN
第1章 怪しい青年
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第2節 仕事での衝突

その日、日が暮れ、しばらく経ったら、林平は再び職場に現れた。

その時の彼は嵐の試練を経てきた平野のようにとても落ち着いているように見える。足取りが重く、目つきが沈んでいて、顔つきが真っ白になっている。普段もそういう表情が多かったから、周りに異様が見られていない。オフィスビルを出た時はちょうど退勤時間なので、オフィスから出た人々の中から何人かから声かけられたが、彼は答えながら微笑んでいる。

オフィスビルに入ったら、すこし彷徨ってからトイレに入った。トイレにしばらくいて、外の足跡が全然消えてから、ゆっくりと身を現し、3階の執務室に向かっていく。

 3階に上がったらすぐ同じ執務室で働いている孟さんと会い、朝に世間話をずっとしていた3人女の1人だ。林平と会ったら、彼女が「林平さん、どこに行ったの?雷さんは午後から何回も呼びかけていたよ。先にまた来ていたけど、とても怒っているようだったよ。今執務室で待っているから、早く行きなさい。」とあまりびっくりしたように叫んでいる。

 林からの返事を待たずに、彼女は振り返って執務室に叫び出した、「雷さん、林平さんは戻りましたよ」と細高い声が廊下に響き渡っている。

 本能的に止めようとしたかったが、もう間に合わない。じろりと孟さんを見つけ、びんたをしたいぐらい恨めしい。孟さんは心の中でびっくりしたが、怖くて聞けなかった、気まずく笑い、飛ぶように階段を降りていった。

 林は孟さんを消えるまで見つめて、足跡さえ聞こえなくなったら、急にそのまま居るといけないと気付いた。身を振り返ると、もう遅い、「林平かい」と廊下の向こうから伝わってきた。

 向こうの雷さんにはもう見つかったから、逃げようがない。やむを得ず「はい」と答えながら体を振り替えた。

 彼は戻ったのは机に置かれたものを心配しているためだ、特にその一ヶ月で作っていよいよ完成する地質図だ。もともと片づけてから翌日に気持ちよくなったらやり続けたかった、そうすると、納期が一晩だけ遅れるなら、大きな影響がない。今の状態のまま描いたら、間違いを起こしやすい、修正をすることができるが跡を残すから、完璧さを追求する林にとってはそれを納得できない。むしろ翌日に雷さんに叱られても今はやりたくないのだ。しかし、退勤時間はもう過ぎたが、雷さんはまだ執務室にいるなんて思わなかった。

まさに悩ましいことが次々と起こるのだ。ようやく落ち着いた気持ちはまたイライラとなった。雷さんに向かって、雷さんが抑えようとする怒りの顔を見た、その刀のような目つきで林は再び頭をさげた。

 雷さんを怖くて正視できない、挨拶さえできない、雷さんのそばから執務室に乗り込んだ。執務室の明るい光にぼう然して、見知らないところにたどり着いたようだ。がっかりとした顔を隠そうとして、背を向けたかったが、なんと失礼かと思って、身を回した。そうして、結局どうしたらいいかをわからなくなった。

 雷さんはそれに気付かなかったようだ。午後ずっと林を捜していたので、たまらなくなったから、重苦しい口調で終日がおらなくて、何をしに行ったのかと尋ねた。

 その状況の中、相手に気を済ますために、兵士のように中断なく素早く答えてよかったが、林平は言い逃れながら「私……なんもしていないけど…」のような答えにならない返事をした。

 「そうか」と冷たく笑った。聞き詰める気もなく、話題を変えた、「その地質図ができたかい?」と聞いた。

 「あの……なっなに?」ぼうと聞いて、向こうの話を掴めなかったようだ。しばらくしたら、蘇ったように「あら、その図面だ、私…まだ描き終わっていないですが…」

 「なに?まだ終わっていないか?」眉をひそめて言った、そして声を高くして「どうしたか?約束したじゃないか、今日中に完成するって」と怒って言った。

 「あの…」言うことがなく、恥ずかしくて頭を下げた。

 「おい、なにをしてるんだよ。何を言ったらいいかよ?おまえの将来がまだ長いからさ、こんな仕事態度じゃだめじゃないか」と雷さんが言いつけた。

 「申し訳ありません。雷さん、私…」とつらく言いながら、泣きそうだった。頭を低く下げて、腰を曲げている様子が間違いをした日本人のようだった。

 また責めようとしたかったが、林のことを見てなんとおかしいなと思って、雷さんは話をやめた。林にひどい目を合わせたくないかわからないが、口調を緩めて「図面を書き終えないのがそれよりもっと大事なことがあるだろう?」と聞いた。

 言い訳のチャンスだ、合理な理由さえ言い出せば、嘘つきでも、追求されないだろう。林平は苦笑いして「私に大事なことがないでしょう?本当にそうでしたら……もっと良いかもしれません」と答えた。

「そうしたら、おまえはなにをしたかい?」

 「えっと」答えられない。

 「あ~、言わなくてもわかるよ、恋人と会いに行ったか?」雷さんは言いながらまた怒り出した。

 「どうしてわかるんですか」。電撃されたように体が震えて、ふと頭を上げた。彼の顔に現れた憤まんは大きな侮辱を受けた時の表情だ。

 「そんなことを聞く必要があるまいか、三十数年前に、今のおまえと同じく若かったからさ」雷さんは冷たく言って、林平の表情の変化に気付かなかった。

 林平はもう一度話せなくなった。

 無言の林平を見て、雷さんは自分の判断を確かめた、ため息をしながら先輩のような口調で言った「おまえよ、聞いとけ。その時代を経験してきたから、女ってどういうものかをよく知っとるよ。あまりにも夢中になったら、女に引っ張られちゃう、今日のようにどんでもないよ。なんと言っても、おまえのような人なんて、自分のスキルで食っていくから、女はおまえを構わないよ。ラブラブの段階で、女は一生おまえについていくと言うが、女のためにおまえが自分のスキル精進を諦めたら、その時に、女はしようがなくおまえについていても、終日クレームや不満を言うばっかりだ、そんな生活を維持できると思うのか?だからさ…」

 「でたらめだ、でたらめだ」雷さんの話を切って叫びだした。「話し手が何気なく話したことでも、聞き手はとても気にするもの」とよく言われるが、雷さんの話で林が刺激された、アンコントロールとなった。叫んでから、自分の失態に気付き、再びぼう然状態に陥った。

 急な発言に雷さんはびっくりした。疑わしく林を見つめている。見られている林平は落ち着いたが、表情がつらくて、…のようだ。

 「林平、どうしたか?病気か?」林の様子を見て、親切に聞いた。

 「私を呪う必要がないよ、元気だよ。」再び叫びだした。あまりに重いプレッシャーで理性を失った、外からの刺激を請け負えなくなった。

 雷さんも怒りだした、ついて叫んだ「何を叫んでいるかよ、誰がおまえを呪ったのか。年若いのに、私は呪い甲斐があるのか。おまえを認めてるから多く話したんだ。おまえはそう叫んで、俺がお前にお願い事があると思ったか?おまえが叫ぶから有利になるわけがない、仕事を完成できないのがおまえのせいだから、問うだけでもできないか?おまえは多くの仕事をやってきた、よくやってきたのをわかってる。でもそれを理由に、責められることも嫌がるなんていかない」

 「もちろんいいですよ、どうしても貴方達が理由をもって、いつも正しい。すべての間違いがこっちにある。私…」

 声がどんどん低くなり、次第に聞こえなくなった。林は雷さんの話から先は失礼なことをしたと気づいた。雷さんを怒らせたくないが、怒りがどう解消すればよいのかわからなく、不満な口調になってしまった。自分のことで怒っているかもしれないが、雷さんに誤解されている。

 「俺はもちろん間違いをした。それは人を間違いで認めた、信頼すべきない人を信頼しすぎた。…まだその間違いを直す時間がある。ご安心ください、絶対に直すから」

 「そうですか。それなら何よりです、私…私…」と林平はつぶやいた。本当に泣きそうだった。今の行動がわざわざしたかったわけではないと雷さんにわかってほしいが、楊小菊のことをどうやって教えたらよいのか?話し出したら、理解と同情をもらえるかもしれないが、男としての尊厳もある。

 今の林は口喧嘩する気持ちがなかった、草々と事務机の上にあるものをロッカーに入れ、ふらふらと屋外へ駆けつけた。この時に、彼にとって一番ほしいなのが静かな環境だ。

 「何をしに?」と雷さんが林を止めた。

 「家に帰る」

「勝手に家に帰るを言うなんて、地質図は?」

 「そっか、そっか、あれを忘れちゃったな」と自ら言いながら、急いで振り返って、再びロッカーを開けて、地質図を取り出して雷さんに渡した。

 雷さんは受け取らなかった。

 「この地質図を見たよ。未完成の図面を俺にくれるって何の意味だ?代わりに完成してもらいたいか?」と蔑みの目で林を見ている。

 しばらく経ったら、林は話さなかった。顔がだんだん白くなって、白紙のようになった。

 「それは…明日に…明日に私は…」と林平が言った、憤まんもクレームもなかった、願いしかなかった、痛切な目で雷さんを見ている。

 しかし…

 「いや、今日だ」と雷さんは断固に言いつけながら、手を振った、それは譲らない決心を現している。

 林平は死んだような顔となった、しばらくして「冗談…冗談ではないでしょうよね?」と声が震えながら聞いた。

 「若者と冗談なんかしない。今日は期限の最終日だから、そのことについても事前説明していた」と依然とした沈んだ顔をしている。

 「でも…でも今は退勤時間だよ」

 「それは関係ない、どうしても今日にほしい」

 「でも今は時間がないよ」

 「時間があるじゃない?もしかして退勤したいか?」

 「はっ」

 「残業して完成してくれ」

 「残業ですか…」

 「そうだ」

 「どうしてですか」

 「わかるじゃないか、約束通り仕事を完成していないから」

「ふざけるなよ」林は我慢できず叫びだした「雷さんの話から、私は部署で毎日手持無沙汰のように聞こえますが、はっきりとみてください、このビルの中に私より仕事多くできる人が何人がいると思います?私のようによく残業している人は何人がいると思います?難しい仕事がすべて私に来る、完成できなかったらひどい目と合う。私は後ろ盾がないし、責任感が強いから、簡単にいじめられると思ったんですか、そして仕事をどんどん任して、なんでも文句を言う、悪いことが全部私に来るとしていたんですか。不公平ですよ。正直に言いますと、今どうなっても、その可哀想な給料に申し訳が立ちます、それは恥じるところがない。もうこんな残業ばかりの仕事をやめたかったよ、命かけても意味がない…」

 話を聞いて、雷さんはぼうとしはじめた。林平を見て、見知らないようだ。

 「林平、本当にそう思ってるか?」しばらくして雷さんは言った。その緩めた口調から林平にノーの回答をほしかったことをわかる。

 「そうです」。

雷さんは戸惑った「林平、昔はそうではなかったけど」

 「昔はバカでした、今は覚悟した、現実から教えてもらった。別に昇進もしたくないし、わざわざ他人の機嫌を取る必要がありません。誰にも義理がないから、自分につらい思い出をさせる必要もありません。ほかの人ができないことはなぜ私がやらなければならないですか。ほかの人がもらえるものはなぜ私がもらえないですか。私に残業させても良いですが、残業代をください、そうしなかったら、一寸も動かない。」あまりに激しくて、彼の胸が起伏している。言い終わったら、何も言いたくなり、冷たい目を他所へ向けた。

 「いいよ、残業代をやろう」しばらく経って雷さんは歯を食いしばって言った。

 「本当に残業代をくれますか」

 「そうだ」

 「どうしてですか」

 「えっと、今日中にこの地質図を完成しなければならないんだから」

 「いくらをくれるつもりですか」

 「あの…もしかして…」

 「もしかして、一晩数元で済ませるわけだと思っていたんですか。そんなお金が目に入りませんよ」

 「じゃ…いくらほしい?」

 「いくらって、五千元です、一銭をかけてはいけません」

 「五千元?」目を張っていた雷さんは叫んだ「ふざけるな」。

「ふざけていないよ。お金がほしいです、とてもほしいです。多くのお金をほしくて、多ければ多いほどがいい。その金で結婚して、きれいな女性と一緒に、わかりますか?」、林平は意地悪そうに笑った。

 「でたらめを言うな。俺の息子もおまえより年上だから、若い年のくせに、そんな話をするなんて、言いすぎだ」

 「そうですか?…」林平は笑いながら、軽く肩をすくめ、どうでもいい表情を現した。

 話はもう続かない。林平も多く言いたくないから、離れようとした。通路に座っている雷さんは止めた。

 「すみません、通りたいですけど」。

 「林平、若者の衝動をわかりますが、その時代を経験してきたから、お前は後の結果に気を付けてください」

 「ご安心ください。心の準備しているから、せいぜい雷さんの下で多くの苦労するだけです、私にどうしようもないでしょう。私を首にする権利もないし、給料を減らすことも恐らくできないでしょう。密告者のように上司の前で私の悪口をするにすぎない。幸いに私は別に昇進したくもないし、上司にどう告げられてもいいですよ。雷さんはとうてい臭い知識だけを持っている人間ですよ、大した価値がない。だから、自分のことをえらく思わないでください、威喝なんかもしないでください、じーじーさん」林はわざわざと皮肉った。

 「おれのことをどう言っても構わないが、でもよく覚えてくれ、おまえに働かせてはいない、おまえとおれはみんな国・部署のために頑張ってる。本当におまえだけで、国・部署に損を受けさせるか」

 「私を逮捕に呼んできてください。教えてくれてありがとうございます、言われないと自分がそんなに重要だと知らなかった。どうしても、今日は疲れましたから、もう話したくないです。よく空気を読めるなら、早く帰らせてください。それからどうするのか、その時に話しましょう、いいですか。」

 「だめと言ったら?」、雷さんは頑固強く言った

 「そうしたら、私のせいにしないでください」

 「何をするか?」

 「何もしたくない、退いてください」

 「許さんよ」雷さんはわざと椅子を前に移した、通路を完全封鎖した。

 林平は声をかけたら、向こうが反応なかった、また怒り出した。椅子を掴んで、力強く押した。椅子が転がって、雷さんも地面に落ちた。林は雷さんの体の上を乗越して外に出ようとしたら、地面に落ちた雷さんに後ろから掴まれた。

 「おまえ本当に手を出したか。いかないで、上司のところで話そう」と雷さんは叫んだ。

 林平は一生懸命に振ろうとしていたが、しかし…

 時間がどんどん立っていく、彼もとても汗かいているが、雷さんにもっときつく抱かれるようになった。

 急に、林平は大きな声を出してから、体を回し、狂ったようにこぶしを振って、雷さんに向けた。

 火山が爆発したように、自分をコントロールできなかった、パンチが早く痛かった。雷さんはすぐ痛いと叫びながら倒れていった、ちょうど頭が机の角にぶつかり、意識を失った。

 まだまだ気が済まない林平はまた雷さんを蹴ろうとしたかったが、雷さんはすでに動かなくなったのを見て、自分もぼうとなった。

 執務室はまた静かに戻り、空気が止まったような静かさだった。

 どのぐらいが立ったのかわからないが、林平はやっと蘇った。カップにあった水で雷さんの苦しい息を聞こえるまでずっとかけていた。蘇った雷さんは叱りながらも、目が開かなく体も動かなかった、ひどく負傷したようだ。

 林平は黙ったまま、雷さんを見つめている。そのあと、カップを捨てて、屋外へ出たが、足取りが重くて、スポンジを踏んでいるようだ。

 一歩、二歩、三歩、涙がこぼれた、ばたばたほっぺから落ちている。四歩、五歩、六歩…何かが足に絡みついて、倒れそうだった。七歩、八歩、九歩…重苦しいすすり泣き声が胸から爆発して、悲しい泣き声は山頂にいたようだが、今回は、涙や汗、疲れはすべて顔に現れ、寂しそうになっている…



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