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"わたし"、という神
人を幸せにすること。
自分が幸せになること。
同時に実現させるのは、案外簡単で、ひどく難しい。
わかりあえない彼等は、いつも臆病風にふかれてはその手を引っ込めて。
寄り添っては突き放す。集っては解散する。
それなのに、まだ手を伸ばすことをやめないとは。
なんと、まあ。
どんな時代だとて、人間の根本は変わらない。
どんな聖人も悪人も変わらず求めるものがある。
それは、―――――。
君も、そうだ。
あ、
嗚呼、
駄目だったと、もう少しでと、
手に入れられずに嘆く人々を、戯れに助け、飽きては突き落とす。そこに悪など存在しないことにすら気づけずに、なんと哀れなイキモノなのか。
怒り、悲しみも意味をなさないことに、いつ気がつけるのだ。
そう、
ただ信じなさい、崇めなさい。知恵の実などは要らないだろう?
疑問を挟む余地はない。
我らを神と名づけたのは、君達なのだから。
祈りを捧げることを




