第1話 妖怪の国の鬼
世界融合と呼ばれる6つの異世界が1つになって新たな世界が誕生し、さらにあの大戦を含めて900年後。
かつての地球が少し広大となったり、国や島が水没したが新しい大陸などが生まれたり、地球の動物や植物の生態系が変わってしまい。さらには月が4つに増えてしまった。今ではそれぞれの世界の住人が6つの国を作り、それがほどよくバランスを保っていた。
山と海の丁度間で森や池などの自然が溢れる、日本の民家やヨーロッパの建物が並ぶ国・モンスターゾーン。
ここは妖怪・魔物が住む国で種の多さでは一番で、特殊能力や妖術などにすぐれていた。そしてこの国に住む頭に2本の角が生えた妖怪・鬼の青年は、嬉しそうにアニメ・マンガ・ショップから出た。
「進!」
そこに顔に仮面を着けた妖怪・のっぺらぼうの青年がやって来た。
「倉山!」
「なに買ったんだ?」
のっぺらぼうの青年・倉山猛は鬼の青年・野田進に尋ねる。
「知りたいか?教えてやろうか♪」
野田は笑いながら懐からDVDを取り出した。
「あ!一昨日発売した18禁のODAだ!」
「どうだ。驚いたか?」
倉山に買ったエロDVDを自慢するように見せてると
「おーーーい」
「ヤッホーーー♪」
すると顔と背中に生えた翼がカラスの妖怪・カラス天狗と、両腕が白い羽根の妖怪・ハルピュイアのカップルが空から現れた。
「黒燕丸にメアリス!」
そのカラス天狗の青年・黒燕丸と・ハルピュイアの女性・メアリス・ランクリアが地面に降りた。
「相変わらずイチャイチャだね♪」
「まあね。同じ空を飛ぶ同士だから」
「そうだよね黒♪」
クールな黒燕丸にメアリスは抱き続ける。
「それにしても参ったぜ」
「ん?なにが?」
原田が二人に尋ねると
「あれのせいよ」
メアリスが上空に指を差して見上げると、五機のジェット機が飛んでいた。
「人間国の機体だ!」
「最近、よく飛び回ってるな」
人間国とはその名のとおり人間達による国家で、高度な科学技術で世界で二番目の軍事力を持ち、さらに事実上世界のトップを握っていた。
「せっかく空中散歩をしてるのに、あんなのが飛び回ってるから危なくて」
黒燕丸は不満そうになって説明する。
「たしかに、最近人間国の様子がおかしいみたいだが、なにかあるんだろうか?」
すると頭部が狐の妖怪・妖孤の男が現れた。
「白木!」
妖孤の青年・白木マサルが野田達に近づいてきた。
「おかしいって、例えば?」
「それはさすがに分からん。だが用心に越した事はないはず」
そう告げると白木はどこかに行ってしまい。
「もう飛行機は行ったみたいだから、俺達はまた空中デートを再開するか」
「そうね♪早く行こう♪」
「じゃあ俺も帰るよ。今度見せてくれよ」
倉山と黒燕丸にメアリスも野田に別れを言う。
「ああ。また明日!!」
野田もそう言って家に向かった。
そして野田は自分の家に着いて中に入ると
「あら、お帰り」
「お帰り、兄さん」
そこに鬼の女性二人が出迎えた。1人は背は野田と同じぐらいだけど髪が長く、2人目は背は少し低めのボブカットが特徴。
「姉ちゃん、秋ただいま」
彼女は野田の姉の野田優で、野田秋は野田の妹ある。
「ところで母さんは?」
「なんか仕事が忙しいから、遅くなるって」
「へ~~~珍しいね」
「別にどうでも良いでしょ。」
椅子に座ってお茶を飲みながら3人で会話をして
「もうすぐ夕ご飯だから、待っててね」
「もちろん♪」
「早くしてね」
優が夕食を作りに台所に行き野田と秋はテレビを見たりして、そのまま3人で楽しく夕食を食べた。
その夜。海の上では人間国の船が止まっていて、先ほどのジェット機も水上形態になって海の上に居た。
「まだ見つからんのか!?」
隊長らしき男が部下に怒鳴る。
「すみません!ここであってるみたいですが、さすがに広くて……」
「いい訳する暇があるなら、レーダーでも感知してろ!」
「は、はい!!」
怒鳴られた部下はすぐに仕事に戻る。
[と言った物の、もう一ヶ月と四週間だ……このままじゃあ]
隊長が焦り始めたその時
「隊長!2号機からそれらしいケースを回収したそうです!」
「なに!?ならば全機帰還しろ!!」
しばらくすると海の中から潜水艦が五機上がってきて船の中に帰還した。そして隊長は画面を作動させると
「やあ!見つかったそうだね♪」
画面から20代位のノリの良い金髪で黒いロングコートを着た美形の青年が出た。
「はい!苦労しました!!」
「よろしい。じゃあさっそく、中を開けてみようか」
すぐにフジツボが付いた大型のケースを開けて中の物を見る。
「間違いなくそれだ。ご苦労だったね♪もう戻って来ていいよ♪」
画面から映像が消えた途端。
「これより帰還するぞ!急げ!!」
隊長の呼びかけにジェット機はすぐに飛び立ち、さらに船が変形してヘリコプターになると空を飛び立った。
主人公の鬼・野田進の登場です。