第11話 優とミリクと環境自然保護会
晴れた日の野田家。
「じゃあ、バイト行って来る」
「私も仕事に」
と野田と優が仕事の為2人一緒に外に出た。
「もし仕事終わったら、進のところに寄るから」
「ああ、一緒に帰ろうぜ」
そして2人はそれぞれの仕事場に向かった。
ここは環境自然保護会の支部。
それぞれの国の自然はもちろん、入国なども管理する特殊警察のような物で、優とミリクが働いていた。しかも2人は同じ班ですが、ミリクはまだ見習いで休みの日は曖昧。
ミリクが出入り口に来るとちょうど優も来た。
「おはようございます」
「おはよう!」
挨拶するとさっそく2人が仕事用の服を着て、自分達の班の部屋に入った。
「おっ!おはようさん2人共」
部屋には40人ぐらいの保護委員が居て、泥田坊の班長らしき男が2人を出迎える。
「おはようございます。戸垣さん」
ミリクは班長の戸垣泰三に挨拶した。
「あの、他の班は?」
「もうみんな行ったよ」
「あとは僕達の班が残ってるぜ」
ミリクの班以外はもう仕事をしていた。
「んじゃあ俺達の仕事は、24山の警護だ」
「「「「「はい!!」」」」」
さっそく優とミリクの班が山の警護に行く。
その頃、優達が向かう山には、化けちょうちんの親子が登山してた。
「ふ~~~もう少しで山頂だからな」
「わーーーい!!僕が一番乗りだ!!」
「コラコラ。はしゃぐのは良いけど、転ばないでね」
化けちょうちんの子供が走って行くので、母親が叱った瞬間子供が突然消えた。
「ええ!!?」
「たっ、拓生!!」
2人は子供が消えた所へ近づく。
「パパ!ママ!助けて!」
どうやら落とし穴に落ちてしまう。
「待って、今助けるから!」
母親が手を伸ばすけども。
「ん?わっ!!?」
いきなりどこからか飛んで来たパイが、顔面に見事に命中した。
「なんだっ!うわっ!痛て!!?」
そして父親は木の上に配置したバケツの水をかぶって、おまけに頭部にタライが直撃して。
「どっ!どうなってんだーーー!!?」
親子は数々の罠に混乱してその様子を見る者が居た。
「あははははははは!!親子揃って引っかかってる♪」
「つーーーか、俺達の仕掛けが凄いって事だろうな♪」
それはぬりかべと傘化けだった。
この2人組は山に罠を作って山に来た人を脅かして、楽しんだりしてるどうしようもない奴らだった。
「いや~~~やっぱ悪戯は楽しいね♪」
「全くだね♪仕掛けや罠を考えて作ったりするのは」
2人は他人の迷惑なんて屁とも思わなかった。
「ほんと……飽きないわね!」
「「ん?げ!!?」
2人が後ろを振り向くと、優とミリクが仁王立ちをしていた。
「優さんにミリクちゃん……なにか?」
「なにかじゃない!あんた達はすでにブラックリストに載っているのよ!!」
ミリクは懐から2人の写真が載せた手配書らしき紙を見せた。
「うわ……写真写り悪いな?」
「どうせだったら、もっと綺麗な写真で」
「「誤魔化さない!!!」」
2人そろって怒鳴りつけたので、ぬりかべは沈むように地面にもぐった。
「あ!コラ!!」
「じゃあ、そういう事で!」
傘化けは頭の傘を回して空へ逃げた。
「あ~~~あ、また逃げられた」
「本当に迷惑な2人だ事」
優とミリクは呆れながらも、子供を落とし穴から出して、タオルを夫婦に貸して上げた。
「ごめんなさい。あの2人は登山者に悪戯するのが好きな性格で、いくら注意しても逃げちゃったりするのよ」
「いやいや、あなた達が悪いだけじゃないし、息子に怪我はなかったから」
「でも本当にびっくりしちゃった」
優は親子に謝ると許してくれた。
「それでは私達は見回りに行きますので」
「気をつけてくださいね」
「じゃあね!お姉ちゃん達!!」
親子と別れて警護を再開してる。
「おーーーい!!」
戸垣が2人を呼んだのですぐに駆け寄った。
「どうしましたか?」
「これを」
するとミリク達に見せたのは壊された祠だった。
「なんなのこれ?……酷い」
ミリクは思わずショックを受けたりする。
「壊された後、掘ってあるな」
「それもかなり経過している」
他のメンバーは観察をして
「もしや、あの2人組か!!?」
「待ってよ!いくら悪戯好きでも、物を壊すような真似はしないわ!」
優はぬりかべと傘化けの2人組がそんな事しないと信じてた。
「とりあえず結界を張って、この場を保護する!!」
「「「「はい!!!」」」」
全員は戸垣の指示に従って作業に移る。
だがその様子を見てた鳥型ロボットはこっそりと空へ逃げた。
その帰りに優はモンストに寄って買い物をした。
「姉ちゃん」
「進、仕事は?」
「もうすぐ終わ「あれ?姉さんに兄さん?」
そこに秋も現れた。
「秋……お前も学校終わったのか?」
「そうだよ。ちなみに友達はさっき帰ったよ」
「そうか……じゃあお前も姉ちゃんと一緒に帰るか?」
「もちろん、てか初めからそのつもりだったし」
返事をして野田のバイトが終わると、3人で一緒に帰る事になった。
その頃、ミリクは自分の家の池で透視の占いをしていた。
[あの祠の下に、なにかが埋まっていた……でも箱に入っていたみたい?]
どうやら先ほどの祠を調べてた。
[そして、やっぱり誰かが壊して、埋まってた箱を盗んだみたいだけど……ここからはなにも見えない]
かなり大量の妖力を使っての占いな為、汗をたくさん掻いてしまったので、思わず池に潜り泳ぎながら上がった。
[とりあえず、箱になにか秘密があるみたいね]
そう確信して屋敷に戻った。
今回は優とミリクの職場の環境自然保護会についてでした。