第10話 野田VSミヤト
こうしてモルトの庭で野田とミヤトによる模擬戦する事になる。
「じゃあ、いくぞ」
「ふん。こちらも同じだ」
彼らはそれぞれ刃のない刀を構え始める。
「では、始め!!」
「うおおおお!!」
「はああああ!!」
手を振り下ろしたモルトの合図に、2人が一斉に刀から火花が出るほどぶつけ交じり合い、ギシギシと音が鳴り響く。だけど野田がミヤトの腹部を蹴り付けようとしたが、危険を感知したミヤトは素早く後ろに下がる。
「へ〜〜〜勘は鋭いな」
野田は感心するかのように言うと、ジャンプして突き刺すようにした。
だが、ミヤトも刀を突くように構えると、両方の刀の先が同時に当たってさっきよりも火花が飛び散り。
「う!」
「く!」
思わず吹っ飛びかけるけど無事に着地して、そのまま激しく刀の打ち合いとなり、両者一歩も譲らないままの勝負だ。
[まさか……私とこんなにも、互角な男がいたとは……]
ミヤトは思わず好奇心がおきながらも、残像が見えるほど素早い2人の剣さばきで、周りから風が出てキュインガシャンと音が鳴り響く程だった。
でもそんな時
「「「ん?」」」
モルトは気配かなにかに気づくけど、2人の勝負のほうが優先だった。
未だに打ち合いが続く中、いきなりミヤトが後ろに下がって距離をおくと、角を野田に向けて突進してきた。
「だったら俺だって!」
負けずに野田も見よう見真似のまま角を向けて突進した。
「とおっ!!」
「なに!?」
野田がジャンプしてかわし、一刀両断する構えをした。
「くっ!」
ミヤトは大きく振りかぶって、同時に2人の剣が当たった
そしてパキンと2人の刀が折れた。
「……引き分けだな」
モルトの言葉に二人は思わず腰を地面に下ろした。
「まさか……こんなに私と互角なんて」
「いや……俺も信じられなかったぜ。あんなに激しい勝負したのは」
と2人は楽しそうに笑いあってた。
そして野田とミヤトが去ったのを確認すると、すぐにケースを開けて中の物を確認をした。
中に入ってるのは人間国が回収したのとマジカルパルスで、アンリュウが持ってたのと同じ形状の胸アーマーだった。
[二人の誰かに反応したのか?]
モルトは考えはじみた。
[そういえば……なんか感じたような?]
実は野田もアーマーの気配に気づいた。
一方その頃、人間国の科学技術本部にある地下の研究訓練場で、淳一の部下のトムが右腕に心の鎧甲を装着していて、かなり疲れたかのように息切れしていて周りには訓練用ロボットの残骸が散らばってた。
「お疲れさん♪」
そこに淳一と清掃ロボットの集団が来た。
「電子チップを抜いて、ボディはリサイクルだ」
「「「「「「了解。」」」」」」
清掃ロボットは訓練用を回収して、淳一はトムに近づき。
「いや~~~ほんとお疲れ♪今日からこれは、君の“悲劇”だよ♪」
「ありがとうございます…ですが」
「分かってる。すでに他の国で気づかれてる」
会話しながら二人がエレベーターに乗る。
「しかもどこかは知らないけど、心の鎧甲を手に入れたって情報が入った」
「やはり……このままでは、また戦争が起きる可能性が!」
「大丈夫。全て俺に任せろ♪」
トムを心配しないようにして、淳一は自分の部屋に戻ろうとする。
[そうさ、戦争なんて起こさせない]
だけど、本当は心の中で自分に言い聞かせた。それもさっきまでのふざけた感じではなく。
野田とミヤトによる模擬戦が激しい勝負でした。それから淳一の野望はまだまだこれからです。