エピソード5 王道展開
ラブコメの王道角でぶつかるイベントは本当にあると思うだろうか?
──(今日は帰り1人か…)
いつもいるはずのあの五月蝿い人間税務署は今日はいない。少し寂しいような気がする帰り道を1人歩く。
今日の帰りはまだ明るい。最近は放課後に色々あったから帰るのが遅くなってしまっていた。
──(今日は幼馴染税もないし本屋でも寄って
帰ろうか
本屋に向けて少し歩くスピードが速くなる。
「うっ!うわー!」
ドーーーン!
そう俺はあのかの有名なラブコメの王道展開に出くわしたのだ。
「いててててて、あ!すいません大丈夫ですか?」
ぶつかった女子高生らしき人物がそういう
──(めちゃくちゃ水色じゃん…)
無防備に倒れるその女子高生をよく見ると同じ高校の制服と水色のパンツを着ていた。
「いえ、こちらこそすいませんお怪我はありませんか?」
俺がそういうとその女子高生はハッとしたような顔で言った。
「これって…ラブコメのあれじゃん!」
──(めっちゃわかる!)
そう心の中で同意しつつも彼女に手を差し出した。
すると、さっきの衝突で眼鏡が外れた俺の顔を見てその子は顔を赤らめた。
「あの、ぶつかっちゃってすみません私芦戸澪って言います。高校同じなんですね。」
目を合わせたり合わせなかったり下を向いたりしつつもそう話す。
「いえいえこちらこそすみません。俺は一ノ瀬悠翔です。」
「俺はもう行きますね、ぶつかってすみません」
そう言って俺は本屋へと足を進めた。
本屋へ向けて歩き出した俺の背中に、
「はわ……かっこ……」
みたいな声が小さく聞こえた気がした。
けどたぶん気のせいだろう。
──(にしても……水色の破壊力よ)
思い出しただけで心臓が変な跳ね方をする。
ラブコメ主人公ならもっと冷静なリアクションしそうだけど、
俺には無理だ。生身の男子高校生だし。
本屋へ入ると、
さっきの衝突で少しズレた髪と服を整えて、
お目当ての新刊コーナーへ足を向けた。
──(ふぅ……落ち着こう。うん。)
いつもの俺に戻った気がする…が、その時。
店の入口から
「はっ、はっ……」
と息を切らした小さな影が入ってきた。
さっきの水色だ。
「いた……!よかった……!」
ドテッ、と音がしそうな勢いで彼女は本棚に頭をぶつけそうになりながら立ち止まった。
「あっ、一ノ瀬くん!!」
「え、なんでいるの?」
「わ、私も本屋……に……!その……さっきの続きというか……」
言いながら彼女は視線を泳がせ、
手をわたわた動かし、
顔を真っ赤にしている。
そして、ぽつり。
「その……一ノ瀬くんの、眼鏡ない顔……すごく……す、素敵だったから……!」
──(えっ、すごい直球)
強烈すぎる不意打ちに、目が泳ぐ
澪は慌てて手をぶんぶん振る。
「ち、違くて!いや違わなくて!いや違うけど違わないっていうか!!」
──(何を言ってるんだこの子)
「とにかくっ!」
澪は深呼吸して、俺の方をしっかり見た。
「さっきは、助けてくれて……ありがとうございましたっ!!」
深く頭を下げる。
その声には、さっきぶつかったときとは違う震えがあった。
ただの謝罪や礼じゃなくて、
“印象に残った相手に向ける気持ち”の音だった。
そして、
「で、でもその……!
私、またどこかで会いたい……なんて……
思ったり……しちゃったり……」
言いながら、もう限界みたいに顔を覆う。
「わーーーー聞かなかったことにしてくださいーーーー!!」
ばたばた走って店外へ飛び出す水色の残像。
取り残された俺。
──(なんだ今の……)
本屋の静けさが逆に耳に痛い。
そのとき、俺のスマホが震えた。
画面に表示された名前は──
西園寺三奈美
『一ノ瀬さん、さっき本屋の前にいましたよね?
今、外に……います。
少し、お話しできますか?』
なぜだ。
なぜ“さっきの瞬間”を彼女が知っている。
店の外を見ると、
夕陽のなかで立つ三奈美がこちらを見つめていた。
その目は、
いつもの穏やかな光とは少し違っていて──
まるで何かを確かめるように、
俺をまっすぐ射抜いていた。
皆さんはラッキースケベどう思いますか?うんうんうんうんなるほどそうですよねいいと思いますよね。澪はラッキースケベキャラにしようと思います。今回も読んでいただいてありがとうございましたよければブックマークといいねお願いします!




