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エピソード4 露出する嫉妬

今回ちょっと長めです!

──翌日


俺は三奈美と約束した通りに貸す本を持ってきた。

がしかし


──(人気者すぎだろ!)

朝っぱらからクラスメイトに囲まれる三奈美に近づけずにいた。流石は三奈美といったところだ。


「ゆーと西園寺さんのこと見てるけどもしかして好きにでもなっちゃったのーー??」


「ちげーよ!」


咄嗟に大きな声を出してしまいクラスメイトからの視線を集めてしまった。


「西園寺に本を貸す約束をしたから渡したいのに近づきづらいんだよ…」


「なるほどーじゃあ私に任せて!」


「ん?任せるって…」


「西園寺さーん!ゆーとが話したいことがあるんだってーー!!」


「ちょ!結希お前何してんだよ!」


クラスメイトの視線を独占するかの勢いで結希がそう言った。

──(ほんとにやめてくれ…)

心の中でそうつぶやきながらも三奈美の方を見た。


すると三奈美は俺を見てにっこりと微笑み廊下を指差し、外へと向かった。


俺は三奈美に着いて行くように廊下を出た。


「西園寺、これ昨日約束した本」


俺が本を渡すと三奈美は嬉しそうにこちらを見つめた。


「ありがとうございます、読み終わったらすぐにでも感想伝えますね」


そう言った三奈美は本の入った紙袋を抱えて教室へと向かった。


──(俺も教室に戻るか)


教室に入り自席に着くとクラスの男子達が俺の席へ街灯に集まる蛾かと思う勢いで集まった。


「おい、一ノ瀬お前もしかして西園寺さんと…」

「俺たちの西園寺さんを…」

「呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う」

「俺達の西園寺さんを返せー!」


「いつからお前らの所有になったんだよ」


──(てか1人変なの混じってない?)


俺が困っていると俺の唯一仲の良い親友である、青羽佑京がやってきた。


「お前らもう授業始まるぞーささっと席につけー」


そう言って俺の席に集まる蛾男子達を自席へと帰らせた。佑京はクラスの中心人物であるため、蛾男子達はすんなり言うことを聞いたのだ。


「佑京助かった、ありがとう」 


「おう、それは良いけどお前西園寺さんとなんかあんの?」


「そっとしておいてくれ…」


「わかったお前がそういうならそっとしとくよ」


佑京は自席へと戻って行った。



午前の授業が終わり、昼休み。

 俺が弁当を広げるより先に、結希が机をトントン叩いてきた。


「ねぇゆーと、さっきの……男子たちに囲まれてた時さ。ちょっと楽しそうだった?」


「どこをどう見たら楽しそうになるんだよ」


「だってさ〜、なんかニヤけてたよ?」


「してねぇよ!」


 即座に否定するが、結希はどこか拗ねたように頬を膨らませている。

 なんでそんな顔をするのか、俺にはわからない。


「……本、貸すくらいであんな騒がれるんだもん。モテ期到来じゃん?」


「ないない。てか俺は“陰キャムーブ”を徹底してるんだよ」


「徹底してアレならもう無理じゃん」


「いま何か失礼なこと言った?」


 軽口を交わしながらも、結希の視線はずっと俺じゃなくて、教室の入り口付近を気にしていた。


 西園寺三奈美が、本を抱えて席へ戻ってくる方向だ。


 別にその視線の意味を深読みしたわけじゃない。

 でも、なんか胸の奥が少しくすぐったいような、変な違和感が残った。


 


 午後の授業が終わり、放課後。


 帰り支度をしていると結希が近づいてきた。


「ゆーと、今日帰り一緒でしょ?」


「別にいいけど……お前こそ部活は?」


「今日はないよ。……ゆーとが帰るなら、帰る」


 なんか最後の一言、小さかった気がする。


 廊下に出ると、ちょうど三奈美が図書バッグを持って歩いてくるところだった。

 俺を見ると、軽く会釈して微笑む。


「一ノ瀬さん、今日はありがとうございました。読んだらすぐ返しますね」


「う、うん。別に急がなくていいけど」


 そのやり取りを横で見ていた結希は、一瞬だけ黙った。


「……へぇ。なんか仲良しじゃん」


「ん?別に普通だろ」


「ふーん、普通ね」


 結希はそれ以上何も言わず、靴箱の方へ歩いていく。

 でも歩幅がいつもより少しだけ速い。


「おい、なんでそんな急いでんだよ」


「急いでないし!」


 声がワントーン上がっている。

 わかりやすいくせに、わかりづらい。


 外に出ると夕陽が差し込んで、結希の横顔が少し赤く見えた。


「ゆーとってさ……もし誰かに好きって言われたら、どうする?」


「え?急に何の話?」


「いいから答えて」


 結希は俺の方を見ようとしない。

 信号待ちの時間だけが妙に長く感じた。


「……わからない。俺、そういうの慣れてないし。鈍いってよく言われるしな」


「……知ってた」


 結希は笑う。

 だけどその笑顔はどこか力が入っていて、肩に少   しだけ影が落ちているように見えた。

 その言葉は、夕陽に溶けて消えていった。

 俺が何か返す前に、結希はもう歩き出していく。


「はい!帰りにコンビニ寄るよー!アイス奢れー!」


「またかよ!」


「幼馴染税!」


 さっきの弱音が嘘みたいに、元気な声だった。


今回ちょっと長くなっちゃってすいません…ほんとは朝のところで切ろうと思ってたんですけど、絶妙に短かったので増やしたらテンション上がって増やしすぎました笑すいません。今回も読んでいただいてありがとうございました、良ければブックマークやいいねもお願いします!

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