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エピソード19 体育祭当日1



 目覚ましが鳴るより少し早く目が覚めた。


 今日は体育祭当日だ。


 カーテンの隙間から差し込む朝の光が、やけにまぶしい。

 昨日までの準備の忙しさが嘘みたいに、空気が軽い。


「……ついに来たか」


 独り言を漏らしつつ、体操服に着替える。

 実行委員としての仕事はほとんど終わっているとはいえ、今日は一日落ち着かないだろう。




 校門をくぐると、すでに校庭は騒がしかった。

 テント、応援席、放送機材。

 色とりどりのクラスTシャツが動き回っている。


「ゆーとー!!」


 背後から聞き慣れた声。

 振り返ると、結希が両手を振りながら走ってきた。


「朝からテンション高すぎだろ」


「だって体育祭だよ!?年に一回の青春イベントだよ!?」


 こいつは本当にブレない。

 こういう場では、間違いなくムードメーカーだ。


「実行委員お疲れ様です一ノ瀬さん」


 続いて、澪が少し息を切らしながら近づいてくる。


「お、おはよう。芦戸」


「今日の障害物競走、見ててくださいね!

 昨日、段ボールくぐりの練習してきたんです!」


「そこ気合入れるとこなのか……?」


 でも澪は本気らしく、目がきらきらしている。

 ドジっ子だけど、努力はちゃんとするタイプだ。


「澪ちゃん今日こけたら、それも含めてヒロインだから大丈夫だよ!」


「結希ちゃん!?それフォローになってないです!」


 朝からこのテンポ。

 俺は完全に二人に挟まれている。




 午前最初の競技、女子の玉入れ。


 放送が入ると、応援席の空気が一気に変わった。


「いけー!赤組ー!」


「結希ちゃん投げるのうまっ!」



 結希は競技でも目立っていた。

 勢いだけじゃなく、意外とコントロールがいい。


「ゆーと見た!?今の!」


「とりあえず時間終わるまでは投げろよ」


まだ時間が残ってるのに仁王立ちで勝ち誇ったようにそう言う結希に時間いっぱい投げるように促す。


「は!ほんとだまだいっぱい時間ある!」


それを聞くとはっとして焦ったように玉を拾い、投げ始めた。




結果発表ーー!!!


放送席から元気過ぎる放送が聞こえてきた。


只今の記録!まずは赤組! 278個


「うぉおお!!」

赤組の選手席がものすごく盛り上がり歓声が上がった


白組! 246個


「よっしゃーーーー!!!」

赤組の選手席はさっきの盛り上がりを超える盛り上がりを見せた。


やはり体育祭ともなれば皆スイッチも入るものだ。



 次は男子の綱引き。


 クラスの男子たちが集まって円陣を組む。


「一ノ瀬、頑張ろうな」


「了解」


 俺も綱引きに参加する、やるからにはやはり勝ちたいものだ。




 笛の音。

 砂が舞い、声がぶつかる。


赤組が引く引くしかし白組もしぶといこちらはかなり引いているがそれでも勝利のラインには届かない。


そうこうして拮抗した状態が続いていると、白組が本気を出してきた。白組側のラインへと引きづり込まれていく。


──(まずいなこれは、)


そう考えながらも引く手をとめず縄を引き続けた、

すると、


「ううぉぉらぁぁあ!!!!!」

前から雄叫びが聞こえてきた。霧島だ。その声が聞こえてくるとみるみる白組が引きづられていき…


 

結果は――僅差で勝利。


 歓声が上がり、皆が肩を叩き合っている。


「やったー!!」


 澪もなぜか一緒に跳ねて喜んでいた。


「芦戸は出てないだろてか、白組だろ」


「気持ちは一緒です!」


 その言葉が、妙に真っ直ぐで。こちらとしては何とも言い難く反応しづらかった。

 



 昼前、実行委員テントに呼ばれる。


「一ノ瀬、ちょっといいか」


 先生が真面目な顔で言った。


「男子リレーのアンカーなんだが……一人足を痛めてな」


「……はい」


「お前、足速いだろ。代理でいけるか?」


 周りの視線が一斉に集まる。


「え、ゆーと走るの!?」


「まじで!?」


 結希の声が一段高くなった。


「アンカーって一番目立つやつじゃん!」


「今回は説明だけな。走るのは午後だ」


 そう付け加えられるが、心臓が一気にうるさくなる。


「……わかりました。やります」


 断る理由はなかった。


 というか、断れる空気じゃない。


「へぇ〜」


 結希が意味ありげに笑う。


「これは盛り上がるねぇ」


「茶化すな」


「でも、期待されてる自覚は持ちなよ?」


 こいつ、全部分かって言ってる。




 そして、放送で次の競技が告げられる。


『続いて、女子○○走の準備をお願いします』


 その名前を聞いた瞬間、周囲がざわついた。


「西園寺さんだよね」


「やっぱ出るんだ」


「生で見るの初めてかも」


 三奈美の名前は、特別扱いされているわけじゃないのに、

 自然と空気を変える。


 遠くの待機場所に立つ三奈美は、静かで、凛としていて。

 近寄りがたいのに、目を離せない。


 まさにマドンナ、という言葉がしっくりくる。


 俺が見ていることに気づいたのか、

 三奈美が一瞬こちらを見て、小さく会釈した。


 それだけ。


 それだけなのに、胸が少しざわついた。


「ゆーと」


 結希が肘で軽く突いてくる。


「今、顔に出てた」


「……何が」


「さぁ?」


 にやにやしながら、前を見る。


「ま、今日は長い一日だよ」


 そう言われて、改めて思う。


 体育祭は、まだ始まったばかりだ。


 そして、この先、何かが起きそうな予感だけは――

 妙に、はっきりしていた。



体育祭!始まりましたねー結構長くなっちゃいましたね。体育祭それでも競技の見せ場もっと書きたかったんですけど競技の表現が苦手で…すみません勘弁してください…でもその分ラブコメ要素は多くしたいと思ってます。後次のリレーも頑張って表現します、、、

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